3443通信 No.362
三好耳鼻咽喉科クリニック ラジオレポート
ラジオ3443通信「花粉症の対策①」

耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって45年。今回は2015年2月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]
花粉症の対策①
An.
三好先生の研究も興味深い一方、ここで今シーズンの花粉症対策を早めにお聞きしておいた方が良いのかな…と、江澤は迷っています(笑)。
Dr.
お気持ちはよく理解できますよ、江澤さん。疫学調査のテーマはいったんお休み、花粉症対策の緊急番組とすることにしましょう(笑)。
An.
先生、スギ花粉症対策で一番重要なことって、ズバリ何でしょう?
Dr.
リスナーの皆さまには、早とちりしないようお願いした上で…言いづらいんですけれども、ね(笑)。
An.
三好先生、その言いづらいところをそうっと、教えていただけませんか?
Dr.
誤解を恐れずに断言するならば、最も重要なことは、花粉症の治療は「専門家である耳鼻科医で受けること」が一番です! もちろんこの場合、目の症状で眼科医に通っておられる場合を除いて、ですけれども。
An.
どういうことでしょう? 江澤は今まで、スギ花粉症にお悩みの方は当然耳鼻科医で、指導を受けているものと思っていました。
Dr.
都市部では、それが当たり前なんですけれど。内科医などに比べて耳鼻科医は、専門医の数が少ないものですから…。
An.
いわば耳鼻科過疎地域では、花粉症の方も専門家以外の内科医などで治療を受けざるを得ない?
Dr.
ただ、そんな地理的条件にある方でも、最初の診察だけはそれなりの耳鼻科医で受けてもらえれば…。
An.
初診時だけでも専門医ならば…。
Dr.
しっかりと検査を受け、確実な診断を下してもらっておけば、シーズン中は内服薬と点鼻薬、スプレーと目薬の使用で、かなり楽に過ごすことができます。
An.
それなら安心です。スギ花粉の「多い」「少ない」でも症状に変化はあるかと、想像できますけれど?
Dr.
花粉症に限らないんですけれども急激な変化があった場合、その都度専門医に相談する努力は欠かせません。幸い、スギ花粉症の最もひどい時期は、この仙台ですと3月上旬から4月初めの期間ですので。
An.
そんなに、むやみに長い時間、花粉に悩まされるわけじゃない…。
Dr.
ですから、花粉の飛び始める直前の2月半ばごろから、耳鼻科専門医を受診して4月半ばまでの処方をしてもらっておけば…。
An.
急激な変化のあったとき以外は、いただいてあった処方薬でシーズンを終えることができますね。ところで先生。江澤にだけコッソリ(笑)教えていただきたいんですけれども。スギ花粉症を耳鼻科専門医で治療するのと、内科医など専門じゃないお医者さんで診察するのと、具体的には何が違うんでしょう?
Dr.
江澤さん。花粉症って、人体の中のどこの場所の病気でしょうね?
An.
それはやっぱり鼻…目にくることはありますけれども。
Dr.
スギ花粉症の進行している主な現場は、鼻の穴の中です。例外はあるかもしれませんが、例えば、私たち耳鼻科医は心臓の病気の診断治療を、あまり手がけません。逆に、内科医など耳鼻科専門医以外のお医者さんには、アレルギー性鼻炎の鼻の状況がそんなに正確に把握できているとは、思えません(笑)。
An.
鼻の中をしっかり観察しながら治療する必要も、あるかもしれませんね(笑)。