2024年11月 No.357
元在北京日本大使館大使 垂秀夫さん作
「悠久の時空」2
院長 三好 彰
はじめに
2013年9月、私がアレルギー調査で毎年訪れていた中国を訪問した際、当時は在北京日本大使館の政務公使だった垂 秀夫さんと出会いました。その経緯については記事『シンガポール大使館レセプション』(3443通信 No.355)に詳しいですが、大国中国に対して「言うべきことは毅然とした態度で言う」という姿勢でのぞまれ、まさに闘う大使としてご活躍されました。
そして2023年に退官された垂さんは、趣味であった写真家として活躍の場を移され、これまで中国で撮りためた珠玉の写真の一部を写真カレンダー『悠久の時空』として発行されました。
ここでは、カレンダーに収蔵された美麗な写真を、連載でご紹介していきます。
作品名「河北省金山嶺」
地球上で最大級にして最長の世界遺産である万里の長城は、北方を遊牧するモンゴルの騎馬民族(匈奴|きょうど)の脅威からの防衛のために、秦の始皇帝(紀元前214年)がその建設を命じました。その後はいくつかの王朝によって修築や移転が繰り返され、現存している長城の大半は明の時代に建設されたものとされています。
北京北東の河北省との境界にある金山嶺は、長城の景色を眺めることができる観光名所の一つです。
雲海に沈む山々のはるか頂には、長城の要所に設けられた“楼”が、朝日を浴びてシルエットとして浮かび上がっています。
(盗用防止のため撮影者を被せています)