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2024年11月 No.357

 

水彩画と随筆60

絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰


はじめに
 私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
 渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
 ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
 本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

06
作品名「ポンペイ遺跡2」


 遺跡の中は広い。2000年前の町がそのまま封印されて現代によみがえった奇跡でもある。
 商店街、浴場、一般住宅―——。そこに住んでいた人たちの会話が聞こえてくる錯覚にさえ陥る。大方の遺跡というのは支配者の宮殿とか寺院である。庶民は一体どんな生活をしていたのかはあまり表には出てこない。しかしポンペイは違う。我々と同じ庶民の営みを感ずることの出来る。他の遺跡では感ずることのできない感激だ。

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