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2024年9月 No.355

 

水彩画と随筆58

絵・文 渡邉 建
院長 三好 彰


はじめに
 私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
 渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
 ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
 本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。

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作品名「コロッセオ」


 ローマを代表する建造物だ。紀元80年に建てられたというから驚きである。なぜならその頃日本は腰蓑をつけて槍で獣を追っていたに違いないからである。2000年前にこんなに巨大な建造物を作りあげたローマ人に敬意を表せざるを得ない。しかしこの巨大な建物が人と猛獣の凄惨な戦いを見物するだけのために建てられたことを思うと人間の本質は何であろうという素朴な疑問が湧いてくる。

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