2024年7月 No.353
水彩画と随筆56
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。
作品名「ゴンドラ」
町の裏の細い運河にゴンドラの船着場がある。そこから念願のゴンドラに乗り込んだ。
本当は月明かりの頼りに船頭の舟歌を聞きながら女房とロマンチックな体験をしたかったのだが、時間的な余裕がなかったので5、6人の乗り合いで我慢した。太陽はさんさんと降り注ぎややロマンチックさには欠けていたが大運河に出る小さな運河を十分に堪能できた。運河沿いに建つ建造物は運河側に舟から直接入れる入口が付いている。ヴェニスはまさに水の上に浮かぶ都市ということを実感した。町の隅々まで細い運河が張り巡らされ、見事というほかはない。