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2024年6月 No.352

 

七ツ森の歴史探訪と了美Vineyard&Wineryの
ランチツアーに参加しました

院長 三好 彰


 例年よりも遅咲きとなった桜の舞う2024年4月18日(木)、河北新報トラベル主催の日帰りツアーに参加しました。
 今回は近場中の近場である七ツ森を中心にした歴史と当地グルメを楽しむというコンセプトで、大正時代に活躍した歌人・原 阿佐緒の記念館や、2016年に劇場公開された映画『殿、利息でござる』の舞台である吉岡宿を巡りました。

七ツ森と宮床宝蔵
 大和町宮床は、伊達家の小城下町として発展してきました。とくに当地の領主となった正宗公の孫・宗房、そしてその子である吉村は仙台藩“中興の英主”と称えられ、ゆかりのある宮床は伊達文化の息づく伊達家ゆかりの地として現在に伝わっています(図1)。
 そのため、ここ宮床には伊達家の歴史と文化を残すための施設・宮床宝蔵が設立されています(図2)。

図01
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 展示室には、まず七ツ森の風土と伝統の紹介に始まり、古代から続く山岳信仰や伊達家統治の時代までの生活の様子が分かり易くまとめられています(図3~6)。

図03
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図04
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図05
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図06
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数奇な歌人・原 阿佐緒記念館
 1888年6月1日、宮床村に生まれた原阿佐緒(はら あさお)は、短歌雑誌『アララギ』にて短歌を詠う宮城県を代表する歌人です(図7)。才能にも恵まれ、かの与謝野晶子にも師事したこともあり、いまではその名を冠した文学賞が設けられています。
 その一方、類まれなその容姿の美しさから恋多き女性とも知られ、妻子ある男性との恋愛問題から不遇な立場に置かれることもありました。
 現在、生家を修復・改築した原阿佐緒記念館には、阿佐緒が詠んだ歌の数々や写真などが展示されています(図8~10)。
 また、生家の近隣には原阿佐緒の記念碑が髄所に建てられており、故人とその作品を偲んでいます(図11)。

図07
 図7

図08
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図09
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図10
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図11
 図11 南川ダムの湖畔にある記念碑


映画『殿、利息でござる。』の舞台・吉岡宿
 最後に訪れたのは、2016年に劇場公開された俳優・阿部サダヲ主演の映画『殿、利息でござる。』の舞台となった吉岡宿(図12)です。
 この映画は、なんと実際に起きた出来事をもとに作られており、この映画が公開されるまでは「そんなエピソードが地元にあったの!?」と、驚かれた人も多くいたそうです。

図11
 図12


 かつて仙台藩の宿場町として栄えた吉岡宿でしたが、宿場町間の物資輸送を担う「伝馬役」というお役目が課せられていました。ですが、吉岡宿は藩の直轄地ではないという理由から助成金がおりず、伝馬役に掛かる費用はすべて吉岡宿の住民の負担によって賄われていました。
 ですが、予算の乏しい町の財政ではその費用を負担し続けることは困難で、夜逃げする者が相次いでしまい財政破綻の危機に瀕してしまいます。

 そこで思いついたのが“銭を集めて藩に貸し出し、その利息で伝馬役の費用を賄う”という奇想天外なアイデアでした。

 この時代、お上(かみ)の存在は絶対です。それに対してお金を貸すという行為自体が罪になるのでは? と、不安を覚える住人たちをどうにか説得し、様々な障害を乗り切って見事必要な金1,000両を集めることに成功するというお話です。

 発起人の一人である穀田屋十三郎の造り酒屋『酒の穀田屋』は今でも現存しており、店内には映画の記念品などが展示されています(図13)。

図12
 図13


最後に昼食の写真をご紹介します。
 前菜プレート(図14)には、生ハムとオリーブオイル、スモークサーモン、プルーンの赤ワイン煮、人参のムースなどが並び、彩りも華やかで食べるのが惜しくなってしまいます。
 お店オリジナルのソースのかかった仙台牛のステーキ(図15)は見た目以上に柔らかく、あっという間に口の中から消えていってしまいました。

図13
 図14

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 図15


関連サイト
1.宮床宝蔵
2.原阿佐緒記念館
3.吉岡宿本陣案内所
4.酒の穀田屋
5.了美Vineyard & Winery 

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