3443通信3443 News

2023年11月 No.345

 

オペラ・ガラコンサート拝聴レポ

秘書課 菅野 瞳

図01図02


はじめに
 去る2023年7月29日(土)、宮城野区文化センター内にある、パトナホールにて開催された“オペラ・ガラコンサート”に行って来ました。
 このコンサートは3年程前から企画立案されていました。新型コロナウィルスによる延期につぐ延期を余儀なくされていましたが、この度、仙台日伊協会が共催をするかたちで、ようやっと開催へと漕ぎ着けました。

 本公演にゲスト出演をされる、世界的に有名なバリトン歌手のピエロ・テッラノーヴァ氏の来日が決定し、温めに温めていた本企画の実現が現実味を帯び、動き出しました。
 この企画の実現を非常に楽しみにされていた、仙台日伊協会会長の故大泉勉氏にお伝えしたのが、昨年12月23日午後のことだそうです。

 会長はその朗報に「7月29日だね、7月29日だね」と連呼され、今日という日を心待ちにされていたようです。

 にも拘らず、誰が予想できたでしょうか。大変残念なことに、その朗報から数時間後、会長は旅立たれてしまったのだそうです。本公演の開始早々に、仙台日伊協会副会長を務める三野宮さんからこのような裏話が披露されるとは思ってもいませんでした。
 また本公演には、故会長の実妹さんが鑑賞にいらしているとアナウンスがあり、聴衆から盛大な拍手が送られていました。思いがけず、故大泉会長の追悼コンサートになってしまった本公演ではありますが、温め続けた本公演の上演を、遠い空の上から見守って下さっているであろう故会長と共に、オペラの世界に酔いしれたいと思います。

濃い目に偲ぶプログラム!
 会場に到着し受付を探していると、そこには数えきれんばかりのお花のアレンジメントや花束、そして故大泉会長へ宛てたお手紙などが、所狭しと飾られていました(図1、2)。

図03
 図1

図04
 図2


 早速頂いたプログラムに目を通してみると、まぁ~圧巻! プログラムの半身が演奏曲目でビッシリです。後に本公演のため来日されたピエロ氏も「最後まで僕の喉は続くかな~」と、冗談めかしに仰っていた場面が印象的でした(笑)。
 オペラを愛する方にはたまらないであろう『椿姫』から『ドン・ジョヴァンニ』まで盛沢山の内容です。

 本公演には、3443通信No.301の記事『仙台日伊協会 創立40周年記念創作オペラ”ウーノ”鑑賞レポ』でご紹介した仙台日伊協会の混声合唱団コーロ・イタリアーノの皆さんも参加されています。本公演に向け、練習に練習を重ねられたのでしょう。イタリアのミラノ市で開かれた公演では、耳が肥えている現地の方から絶賛された創設40周年記念事業の創作オペラ『ウーノ』を披露して頂いて以来の歌声を聴かせて頂きましたが、以前よりも歌声に統一感があり、また皆で歌うことの心地良さが感じられ、大変貫禄のあるお姿を見させて頂きました。

 流れるように虎視眈々と進んでいくプログラムではありましたが、やはり本公演の目玉と言って良いでしょう、ピエロ氏の歌声は、息をするのも憚られる程の大迫力で、一瞬にして会場内の雰囲気が変わったことを肌で感じました。イタリアだけに留まらず、世界中の主歌劇場で活躍されるバリトン歌手の歌声は故大泉会長にも届き、遠い空の上で「ブラボー! ブラボー!!」と叫ばれ、絶賛されていたに違いありません。

 本日の公演は、オペラのド素人の私の目にも優雅で華麗にうつり、出演者の皆さんが故大泉会長を想い歌われるその声に魅了されました。

 仙台日伊協会会長としてだけではなく、院長が小学生の頃二期生つまり活動開始2年目のボーイソプラノであったNHK仙台少年少女合唱隊の創立や、多くの合唱団の指揮や指導をなされた功績は、故会長の音楽愛として受け継がれていくことでしょう。故大泉会長の隣には、いつも音楽があり、音楽に全身全霊を注がれていたと言っても過言ではありません。音楽を愛し音楽に愛された、故大泉会長のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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