2023年8月 No.342
長井あやめまつりとサクランボ狩りツアー2
院長 三好 彰
前号に引き続き、山形県の「長井あやめまつりとサクランボ狩り」ツアーの参加レポートをご紹介します。
雨露に濡れるあやめ
山形県長井市にあるあやめ公園は3.3ha(甲子園球場とほぼ同じくらい)の敷地内に約500種100万本ものあやめが咲き誇る日本有数のあやめ公園です。なかには長井古種と呼ばれるここでしか見られない品種のあやめもあり、毎年6~7月頃の開花シーズンになると県内外から多くの観光客が訪れます。
ちょうど見頃を迎えたあやめをご覧下さい。
図1
図2 長井鷹の爪
図3 黄菖蒲
図4 三淵(みふち)の流れ
図5 なかには珍しい古種もあります
颯爽と走る萌え電(?)
福島県の只見線レポート(3443通信 No.336)岩手県のSL銀河レポート(3443通信 No.341)とつづくローカル鉄道シリーズの第3弾は、山形県南陽市から白鷹町を繋ぐ地元の足、山形鉄道が運営する通称『フラワー長井線』です。
1923年の全線開通から100周年を迎えた本線がいま、巷でひそかな人気を博しています。
見て下さい。車体各所に散りばめられた見目麗しいキャラクターの数々(図6、7)。これは日本全国の鉄道に関する職場で働く女性をモチーフにしており、玩具・模型メーカーである株式会社トミーテックが中心となって展開しているキャラクター企画で、それぞれのキャラクターたちは実際に採用されている制服などを着用しています。
図6 まさに萌え電
図7 一番右端は仙台アクセス鉄道のキャラクターです
現在では100体以上の鉄道むすめが生み出され、駅構内や鉄道会社のウェブなどでも多く見かける機会が増えてきました。
宮城県でも、仙台市交通局の青葉あさひや、仙台空港アクセス鉄道の杜みなせというキャラクターを見かけた方もいるかと思います。
今回紹介するフラワー長井線は、沿線上に花の名所が多くある事からそう呼び表されるようになり、沿線である4つの市町に自生する花をモチーフにしたカラーラッピング車両が登場しています(シンボル車両を含めて5種類ほか)。
東北由来のかわいらしい鉄道むすめたちにラッピングされた車両に乗り込み、いざ出発です。
地元出身の落語家兼車掌
フラワー長井線に乗車すると、軽快な声が私たちを出迎えてくれました(図8)。
地元長井市出身の落語家・俊風亭太平楽さん(山形県演劇落語協会 会長)がガイド兼車掌を務めるとのアナウンスがあり、軽妙な語り口で長井鉄道の歴史や沿線の情報を解説して頂きました。
図8 名物車掌の俊風亭太平楽さん
図9 春風亭太平楽さんのチラシ
宮城県でも、東日本大震災で甚大な被害を受けた三陸鉄道が2020年3月までに全線復旧し、地元からは地域活性化の期待が高まりを見せています。ですが、少子高齢化などの影響のあおりを受けて利用客の減少が進んでおり、各鉄道会社は様々な方法を用いて経営改善に取り組んでいます。
長井線も例に漏れず、収入の約7割を占める高校生の減少が大きな問題となっており、前述のように観光列車としての利用価値を高めようとする取り組みが盛んにおこなわれるようになりました。
是非とも、こうした観光資源が多くの観光客に周知され、地方に足を運び、その土地独特の風土や歴史に魅力を感じて貰えるような旅ができれば良いなと、願っています。
図10 なんとも趣のある駅舎