2022年11月(No.333)
白老健診シリーズ⑪
写真で見るアイヌ文化9【終】
~木下清蔵遺作写真集~
「木下清蔵遺作写真集」(図1)は、現在の青森市油川生まれの写真家・木下清蔵氏(1959~1988)による記録写真を基に、アイヌ民族博物館が編集・発行しました。
大正から昭和にかけての、民族継承と近代化の狭間を逞しく生き抜くアイヌの姿をご覧ください(以下、写真集より引用)。
【コタンのうつりかわり】
創設されたコタン(昭和39年)(図2)
観光客が飛躍的に多くなってくると、コタンのあった地域は経済的に活況を呈してくる反面、教育上、好ましくない状態になってきた。そこで、1964年(昭和39年)に一部の人々が、ポロト湖畔に家を建てて、ここに観光客を迎え入れるようになった。そして、翌年、文化観光関係は旧コタン周辺から撤去し、すべてポロト湖畔に移転した。こうして新らたに創設された復元コタン(村)が現在のポロトコタンなのである。
図2
ポロトコタン(昭和42年)(図3)
図3
ポロト湖畔(移転復元前)(図4)
図4
ポロト湖畔とチセ(昭和39年)(図5)
ポロト湖は冬に凍って天然のスケートリンクになる。スケートとワカサギ釣りのメッカとして、にぎわいをみせている。
図5
ポロト湖畔とポロトコタン(移転復元後)(図6)
図6
白老町立民俗資料館(図7)
ポロトコタンの中に、1967年(昭和42年)、白老町立民俗資料館が設立された。この建物が現在のアイヌ民族資料館の旧館である。
図7
白老ポロトコタンの静けさ(図8)
時は流れて、こちらは2009年訪町時に撮影したポロト湖の写真です。
2020年に資料館は国立アイヌ民族博物館としてリニューアルし、近代的な博物館棟と広大な緑地(民族共生公園)が整備され、憩いの空間とアイヌ文化を知る場として公開されています。
そのため現在は、写真のように静かな印象とはまた違った景色が広がっています。
図8 リニューアル前のポロト湖の写真
おわり
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・「アイヌ・オセロ」とシェイクスピア・カンパニー①(No.302)
・「アイヌ・オセロ」とシェイクスピア・カンパニー②(No.303)
・訪れた人々~武永 真さま~(No.316)
・北海道新聞の取材を受けました(No.320)
・白老町定例表彰を受賞しました(No.322)
関連サイト
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