2022年6月(No.328)
スギ花粉症を追ってシリーズ⑤
種子島・屋久島ツアー5(終)
院長 三好 彰
はじめに
新年の明けた2022年1月19日(水)から21日(金)にかけて、鹿児島県の種子島・屋久島を巡るツアーに参加してきました。
屋久島には、私が長年研究しているスギ花粉症のルーツを辿るためのキーである屋久杉が植生しています。詳しくは本紙313号「チベットにおけるスギ・ヒノキ植生と感作」をご覧下さい。
さて、今回で最終回となる本レポートは、飛行機から見た景色をご紹介します。
仙台空港・種子島空港を直通で結びチャーター機(図1)が辿った航路は、おおよそ図2のようなルートを辿りました。
図1 チャーター機(FDA)
図2 航路と撮影地点
浅間山|あさまやま(図3)
長野県と群馬県の境にそびえる標高2,568メートルの浅間山は、富士山に似た円錐形をしており同一の火口から幾度も噴火を繰り返して形成された活火山です。
山名で連想される有名な出来事といえば、1972年の浅間山荘事件が思い起こされます。
浅間山の南麓にある軽井沢町の南端、群馬県との県境にある河合音楽学期の保養所「浅間山荘」に、連合赤軍が人質を取って立て籠もった事件です。
図3 浅間山
諏訪湖|すわこ(図4)
長野県の中央部、南北を山に囲まれた平地を分断するようにある湖です。かつては非常に水質の良い湖で、江戸期にはシジミ漁業が盛んでしたが、高度経済成長期の生活排水などの流入にともない水質が悪化。その後、国・民間の水質改善活動により大幅に改善されるも、すでにある生態系が変化するなど難しい問題が山積しているそうです。
諏訪と言えば、かつて戦国大名の武田信玄が見初めた諏訪姫という女性がいました。武田氏の戦略・戦術を記した軍学書『甲陽軍鑑』には、諏訪姫を「かくれなきびじん」と評しているそうです。
現在ではご当地キャラクター「諏訪姫」として、人気を博しているそうです。
図4 諏訪湖
木曽山脈|きそさんみゃく(図5)
通称「日本アルプス」の一角を成す山脈です。
南北にほぼ真っ直ぐそびえる木曽山脈ですが、その標高は2,956メートルの木曽駒ケ岳を最高峰として、他の飛騨山脈・赤石山脈のような3,000メートル級の峰を持たない山脈です。ロープウェイの整備に伴い登山客で賑わう観光地となっています。
図5 木曽山脈
御嶽山|おんたけさん(図6)
前述の木曽山脈の東にある御嶽山(標高3,067メートル)は、大きな裾野を持ちほかの山とは接続していない独峰です。2014年9月、突如発生した噴火により山頂付近にいた登山客60名以上が巻き込まれ、雲仙普賢岳の火砕流被害を上回る人的被害を記録しました。
現在でもおよそ火口から半径1キロは立ち入りが制限されています。
山頂部が広いのが特徴で、実は火山の中では富士山に次いで標高の高い山となっています。
図6
開聞岳|かいもんだけ(図7)
さつま富士とも言われる見事な円錐形の山です。
傍らに存在する池田湖という湖には、「ネッシー」ならぬ「イッシー」という幻の恐竜が住んでいるとか……。
ここから60キロほど南に下ると、目的地である種子島に到着します。
図7