3443通信3443 News

2021年11月​(No.321)

 

めまい特集(2)-⑥
ラジオ3443通信「エプリー法の体験談」

ラジオ3443通信は、2010年から毎週火曜10:20~fmいずみ797「be A-live」内で放送されたラジオ番組です。
 ここでは2010年6月8日OAされた、耳鼻咽喉科にまつわる病気の話題を分かりやすく、歴史や時には意外な観点からの話題を交えてご紹介いたします。

6 エプリー法の体験談

An:
 三好先生、前回の放送では、めまい疾患の中で一番のトピックスである、良性発作性頭位めまい症つまりBPPVについて、そのメカニズムをご説明頂きました。
 その解決法について、本日は教えて頂けるんですよね! なんでも秘密の呪文が存在するとか?

Dr:
 その前に江澤さん。BPPVで当院を受診された方の体験記に、目を通してみませんか?
 論より証拠。世界中がグルグル回る恐怖のめまいが、ホントに良くなってますから。

An:
 それでは、BPPVの治療を受けた方の実際の体験談を、読んでみましょう。         

第一例 70歳女性の場合

An:  
 まず第一例。70歳の女性です。

「1年ほど前に、右耳が急に聞こえなくなってしまい、他の病院で突発性難聴と診断されました。その頃からめまいが止まらなくなり、1年くらい続いています。このめまいは、寝返りを打つときにグルグル回ります。左耳を下にして寝るとめまいが起こり、右耳を下にすると治まります。
 また、高い所にある換気扇などのボタンを押すときなどに起きやすいようです。特に朝方はつらく、30分くらい座ってじっとしていないとフラフラして動けませんでした。
 三好耳鼻咽喉科クリニックで治療を受けた後は、朝の物凄いめまいがウソのように無くなりました。上を向いて高い所の物を取ったり、下を向いて物を拾うときに、フワッという感じでめまいが起きていたのですが、無くなりました。
 本当に、受診して良かったです。すっかり良くなるまで、通いたいと思っています。」

三好先生、この方には治療がすごく効いたみたいですね。

Dr:
 他にも、有効だった方は 少なくありませんよ。     

第二例 66歳女性の場合

An:
 三好先生、この方は先生の前にも他の耳鼻科に通院していますし、MRIまで撮影しているようですね。

Dr:
 めまい専門医じゃないと、通院しても結局診断は難しいみたいです。

An:
 読みます。
「5年ほど前からめまいがあって、地方の耳鼻科でメニエール病と診断されました。MRIを撮影しましたが、異常なしでした。それから何回かめまいがありましたが、昨年の12月末に起き上がれないほどのめまいがありました。それから1ヶ月間はひどい状態が続いたのです。
 横になっても、起き上がっても、めまいがしました。吐き気が強く、歩くのも困難な状態でした。周囲のものが動いて見えました。グルグルと回ることもあり、めまい症状のひどいときには転ぶのが怖いので歩くのもゆっくり遅くなりました。

三好耳鼻咽喉科クリニックを受診し、治療してからは体がとても軽くなりました。とても楽になり、いつものように歩くことができてうれしいです。車の運転も短時間なら大丈夫で、ほぼ元通りになりました。
 知人にめまいの治療をするなら三好耳鼻咽喉科クリニックが良いよと紹介したところ、知人も3回の通院で回復しお礼の電話をもらいました。」

三好先生、これは出来すぎみたいなお話ですね。

Dr:
 作り話ではないんですけどね……。でも、当院受診前に1ヶ所の病院だけで済んでいる方は、むしろ幸運かも知れませんよ。

An:
 それじゃ、何軒もドクターショッピングをしておられる方も……?

Dr:
 3~4ヶ所の医療機関を受診しても、改善の見られない方はおられます。

An:
 この方はそんな1例でしょうか。

第三例 64歳男性の場合

An:
 第三例は64歳の男性です。
 「1~2年前から軽いふらつきはあったのですが、半年前になって足が地につかない感じがして、雲の上を歩いているようで歩行時ふらつくようになりました。寝返りを打ったときや、目覚めて起き上がったとき、横になったときなどにめまいがします。急に頭の位置を変えたり、おじぎや首を後に反らせたりすると、めまいが生じます。

最初脳外科を受診してMRIを撮影しましたが、異常所見なしでした。
 次に総合病院の耳鼻科を受診しましたが、聴力検査を実施されたのみで様子を見るよう指示されました。
 内科も受診しましたが、めまいは改善しませんでした。

三好耳鼻咽喉科クリニックを受診して、1週間おきに2回治療を受けたところ、めまいは消失しました。その後、めまいの再発はみられませんので、2ヶ月に1回の経過観察中です。」

三好先生、このお話もすごいですね。

Dr:
 めまい専門医とそうでない医師との、単なる相違なんでしょうけどね。

第四例 74歳女性の場合

An:
 第四例は74歳の女性です。
「朝起きるときや夜寝るときなど、体の向きを変えるとめまいが起こります。特に起床時のふらつきと、頭を後ろに曲げたときのふらつきが多く、しばらくすると落ち着きます。日中でも、電線に留まっている鳥を見るとめまいがします。

実は10年ほど前にひどいめまいで、総合病院耳鼻科に10日間ほど入院したことがありました。
 今回のめまいの際にもそこを受診したのですが、耳の中を見て ”前回とはめまいの性質が違うので脳に原因のあるめまいです”と診断されました。そして循環器内科を紹介されたのですが、異常なく不安が募りました。

三好耳鼻咽喉科クリニック受診後、ひどいめまいは無くなりましたが、2回しか治療していないのでもう少し治療を続けようと思います。」

三好先生、ホントにこんなことが、あるんですね。

Dr:
 それは、そもそもBPPVという病名が知られていなかったことが、最大の原因ですよね。まして、その治療法であるエプリー法が、まだ宮城県ではほとんど知られていないという事実が、それに輪をかけています。

次回は、秘密の呪文ならぬ、めまい専門医ならだれでも実施できるエプリー法について、ご説明します。

An:
 三好先生、絶対ですよ! 江澤も楽しみにしていますからね。

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