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みみ、はな、のどの変なとき

96 マウスピース(スリープスプリント)

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いびきや睡眠時無呼吸症候群の⼈では、時にあごが⼩さかったり噛み合わせが悪かったりして、上の⻭に較べ下の⻭が奥に引っ込んでいるなど、⻭科的な問題のあるケースが散⾒されます。 またそうした現象の結果か、固い⾷物もしくは噛みごたえのある⾷物の苦⼿な⽅もおられます。

さらに前にも書いたように、近年の若い⼥性に多く⾒られる細いあごも、いびきの原因となり易いものです。
 こうした事実から、噛み合わせを改善させることによって、いびきの治療に効果を期待できるのではなかろうかと想像することができます。
 なぜなら、噛み合わせの悪い下顎は睡眠時後⽅へ落ち込みがちで、⾆根部の沈下をもたらし、その結果気道の狭窄の⽣じることもあるからです。

そうした機序を考えた場合、マウスピース(いびきや睡眠時無呼吸症候群に使⽤するそれをスリープスプリントと呼んでいます)を使⽤して噛み合わせを改善することは、いびき治療の1⽅法となるはずです。
 各個⼈に合わせて作成されたマウスピースを、夜寝るときに装着します。噛み合わせの悪い⼈では、このマウスピースにより下顎の落ち込みが無くなります。そしてその結果、⾆根部の沈下が消失して睡眠時の気道狭窄が改善し、いびきや睡眠時無呼吸症候群が楽になるのです。

注意して頂きたいのですが、いびき防⽌⽤のマウスピースすなわちスリープスプリントは、⾒かけ上は⻭軋り防⽌⽤のナイトガードとそっくりです。
 このため近所の⻭科医で、⾒よう⾒真似のスリープスプリントを作成して来られる⽅も、時に⾒られます。けれどもナイトガードは、上の⻭だけ⻭形を採取して作成するのが普通です。

それに対してスリープスプリントは、下顎を固定するのが⽬的です。つまりいびき防⽌のためには、下顎と⾆根部の沈下を予防する観点から、下の⻭形の採取がより重要となります。
 このスリープスプリント、総⼊れ⻭の⼈や⻭槽膿漏の⼈には使⽤できませんが、⼀度は試みたい治療法と⾔えます。

 

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