2021年9月(No.319)
水彩画と随筆22
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。
作品名「古城の墓地(マントン)」
教会の横の小道を入ると道はバロック建築の家々の間を縫って迷路のように入り組んでいる。その道を上に上にと登って行くと丘の頂上の古城の墓地に辿り着く。そこからの眺めは素晴らしい。旧市街の重なり合った赤い屋根の向こうに紺碧の地中海が広がっているのだ。村の一等地に墓地を作った人々の気持ちが伝わってくる。