みみ、はな、のどの変なとき
49 外傷性鼓膜穿孔
前話 目次 次話
⽿掻きをしている最中に⼦どもが体に触れ、⽿掻きを奥まで突っ込んでしまった。そんな際に、⽿掻きで⿎膜に傷を付けていまうことがあります。
また、剣道で相⼿が⾯を撃って来たのに対し顔を背けて避けようとした。ところが相⼿の⽵⼑が、⾯を被ったその上から⾃分の⽿に当たり、強い気圧が⼀時的に外⽿道にかかってしまった。そんなときにも、⿎膜に⽳の開いてしまうことがあります。
中には夫婦喧嘩で奥さんから思いっきりビンタを⾷らい、運悪くそれが⽿に当たって⿎膜に⽳の開くこともあります。
これらを、外傷性⿎膜穿孔と称します。
⽿掻き棒が⿎膜に刺さった場合、⿎膜の穿孔は⼤きいのが普通です。それに較べ過⼤な気圧が加わったための⿎膜穿孔は、⿎膜のごく⼀部に⼩さな⽳の開くのが⼀般的です。
症状としては外⼒を受けた直後から、聞こえが悪くなり⽿の塞がったような感じがします。⼩さな⿎膜穿孔は、通常1ケ⽉ほどで閉じてしまいます。けれども穿孔がかなり⼤きかったりすると、稀に⽳の塞がらないこともあるものです。
また、間違って⽿に⽔が⼊ったりして感染を引き起こすと、⽿だれが出たりするようになり中⽿炎となってしまうこともあります。⽿だれは不愉快なものですから、感染には充分注意してください。
⿎膜穿孔が余り⼤きくない場合には、穿孔部分をちょっとカバーして(この作業をパッチと称します)臨時に修復しておくと、聞こえも良くなり⿎膜穿孔も早く閉鎖します。
この処置は、⽿⿐咽喉科専⾨医で簡単に実施してもらうことができますので、夫婦ゲンカの後には(これは冗談です)早めに⽿⿐科医へどうぞ︕
前話 目次 次話