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みみ、はな、のどの変なとき

28 小児の滲出性中耳炎

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滲出性中⽿炎は⼩児と⽼⼈に多いのが特⾊の⼀つですが、年代により滲出性中⽿炎の原因となる状況が異なります。

⼩児の滲出性中⽿炎は、先に述べた理由から⼩児が急性中⽿炎を繰り返し易いこと、⼩児ののどの⽿管の⼊り⼝にアデノイドと呼ばれるリンパ組織が存在しており、⽿管を閉塞させ易いことの2つが原因で発⽣します。
 ことに副⿐腔炎など⿐の炎症が併存すると、⿐汁がアデノイドに絡んでいたりして⽿管がその⼊⼝部で⼀層詰まりがちとなります。⿐汁の細菌が原因となって、⽿管から中⽿に炎症を惹起している可能性もあります。

滲出性中⽿炎では、お話ししたように聞こえの少しにぶくなるのが基本的な症状です。けれども⼩さな⼦どもでは、⽿の聞こえが悪いなどと⾃分から親に訴えることは、まずありません。⼤抵は最近テレビの⾳量を⼤きくしがちだとか、後から名前を呼んでも返事が無い、何となくボンヤリしている、などの現象があって親が⽿⿐科へ連れて来ます。中には、テレビににじり寄って⾏くわが⼦を⾒ててっきり⽬が悪くなったものと勘違いし、眼科へ連れて⾔った親の⽅もおられますが。
 ズキズキ痛むことは無く、先に触れたようにチクチク痛むことがあります。また、聞こえの悪さのために⼦どもは学校でも友達の会話が聞きにくくて淋しい思いをしたり、授業で先⽣の声が聞き取れず成績が悪くなったり、意外なことも起こります。

⼦どもにそんな素振りが⾒られたら、早めに⽿⿐科医に相談しましょう。⽿が悪いだけなのに、頭が悪いと誤解されては⼦どもが気の毒です。


関連リンク
 ・「耳の遠い方へ」もご覧下さい。
 ・医学コミック「中耳炎世界の冒険」

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