みみ、はな、のどの変なとき
27 滲出性中耳炎
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中⽿炎にはいくつか種類があります。⾃分の⽿がおかしくなって、お医者さんにかかり説明を受けるときには、つい”中⽿炎”という名前だけが記憶に遺り、それがどんなタイプの中⽿炎なのか聞き漏らしてしまうことがあります。けれども、もちろん中⽿炎のその種類によって、症状も対応策も全然違うものです。ここに述べる滲出性中⽿炎だって、前にご説明した急性中⽿炎とかなり状態が異なります。しかも、⼩児と成⼈そして⽼⼈とでは、これまた多少話が異なって来るのです。ここではそうした年令を考慮しながら、滲出性中⽿炎の病態と治療についてご説明しましょう。
⽿の⿎膜の内側のスペース(中⽿腔と⾔います)に⽔みたいな液体が溜まって⿎膜がうまく動かず、結果的に聞こえが悪くなっている状態です。その原因ですが、いくつかの要因が考えられています。第⼀に、以前にお話しした⽿管という⽿とのどとの奥をつなぎ、⿎膜内外の気圧調節に関わっている管が充分に働かず、滲出液が中⽿に貯留している可能性があります。第⼆に、⿐やのどの炎症が⽿管を通じて⽿に及んだ可能性もあります。第三に、急性中⽿炎で中⽿に膿が溜まっていたのが、抗⽣物質の使⽤で⽔みたいな液体になってしまった、という可能性だってあります。その症状としては、ちょうど新幹線に乗ってトンネルに⼊った瞬間のような、あるいは⾼い⼭にでも登った時のような感じで、⽿が聞こえにくい・⽿が詰まった感覚・⾃分の声が⽿に響く・チクチクとした痛みをときどき⽿に感じる、などが特徴的です。
関連リンク
・「耳の遠い方へ」もご覧下さい。
・医学コミック「中耳炎世界の冒険」
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