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みみ、はな、のどの変なとき

21 エピソード6「耳痛と蜘蛛膜下出血」

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⽿の痛みのすべてが⽿に原因があるとは限らない、それは本コーナーをお読み頂ければ良くお判りのことと思います。私たちの⽇常診療でも、時にとんでもない原因疾患に出会うことがあって、実は結構スリリングな体験も少なくありません。

ある⽇、左の⽿へ響く痛みと頭痛を訴えて私のもとを受診した63歳の⼥性(検3、症例)が、検査を終えて診察を待っている間に突然意識を失って、椅⼦から崩れ落ちました。隣に座っていた⼈が何か⾔おうとしますが、あまりにびっくりしてしまって⾔葉にならず、⼝だけパクパクさせています。診察台から2メートルも離れていなかったのですぐさま⾎圧を計ろうとしたのですが、⾼すぎて測定できません。ややあって意識は戻りましたが、頭痛と吐き気が強く、蜘蛛膜下出⾎が疑われました。そこで急いで脳外科の専⾨病院へ転送しましたが、診断は脳底動脈の解離性動脈瘤による蜘蛛膜下出⾎でした。

たかが⽿の痛みと⾔って、軽く⾒てはならないという何よりの教訓でもありました。

 

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