みみ、はな、のどの変なとき
5 その他のトラブル
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①”ピアスの⽳の⽩い⽷”のうわさは、結構有名です。若い⼈たちが、⾃分たちでお互いに安全ピンでピアシングしようとしたところ、開けた⽳の中から⽩い⽷が出て来て失明した、という内容です。話はいろいろで、失明ではなく顔⾯神経⿇痺だったりすることもありますが、ピアスの⽳から⽩い⽷のようなものが出て来た、という点が共通です。もちろん、現実に失明したり顔⾯神経⿇痺を起こした⼈が確認されていない、という点も共通です。それはなぜでしょう。
失明や⿇痺などの”⼝裂け⼥”的うわさはともかくとして、⽩い⽷は原因が明らかです。ピアスの⽳の⽪膚が張り終って(上⽪化)からきつめのピアスを使⽤すると、それを外すときに上⽪化した⽪膚が筒状に剥がれて来ることがあります。この筒状の⽪膚が、ちょっと⽬には”⽩い⽷”に⾒えるのです(図5)。それが無知と、⾃分たちで安全ピンなどを使⽤してピアシングをするその罪悪感と⼆つ重なって、右記のようなうわさを形成したものと考えられます。もちろん⽿介には、顔⾯神経も視神経も通っていません。
図5
②ご存じですか? ピアスを着けたままスキーに⾏くと、⽿たぶが霜焼けになってしまうことを。逆に、ピアスを外さずにサウナへ⼊ると、⽿が⽕傷になります。
ピアスは⾦属ですから当然⽐熱が⼈体とは異なり、⾼温時には⽿たぶよりはるかに早く熱くなります。従って、サウナへ⼊るときにはピアス(⼤きなピアスですとなおさら要注意です)を外して頂かなければ、⽿が⽕傷を負います。またスキー場は寒く、そのためにピアスがひどく冷たくなること、滑⾛時に⽿たぶが熱を奪われること、そもそも⽿たぶはそんなに⾎流が豊富でないこと、が原因で霜焼けとなります。気を付けてください。
関連リンク
・医学コミック「ピアストラブル殺人事件!?」
・3443通信 No.315 エッセイ「ピアスの穴の白い糸」
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