2021年5月号(No.315)
水彩画と随筆18
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。
作品名「ヴィラ・ド・ロスチルド」
コート・ダジュールでも屈指の高級別荘地がある。ニースとモナコの中間点辺りで地中海に突き出た半島のサン・ジャン・カップ・フェラだ。この別荘地を歩くだけで天下の富豪の仲間入りした気分になる。その中でもひときわ群を抜いて豪華なのがロスチルドの館だ。この建物は20世紀初頭に大財閥の男爵夫人によって建てられたものだ。広大な敷地の一角に素敵な館は建っている。