2021年4月(No.314)
水彩画と随筆17
絵・文 渡邉 建介
院長 三好 彰
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。
作品名「ヴィルフランシュ・シュル・メール」
南仏コート・ダジュールの中心地ニースから20分ほど車を走らせると小さな港町ヴィルフランシュ・シュル・メールに着く。華やかなニースとは違いのどかな港町である。オレンジ色に輝く家々の屋根の向こうには鏡のように静かな紺碧の海が広がっている。海には幾つもの小舟が浮かび心洗われる風景である。これから10日間にわたって憧れの南仏スケッチ旅行を開始する。心が高まってくる。