2020年7月号(No.305) 北海道白老町学校健診の光景 この写真は、私が1988年から実施している北海道白老町における学校健診の光景です(図1)。 白老町は、北海道南西部の海岸線に面した風光明媚な町です。 私は年に一度、この白老町の小・中学校で学校保健法に定める耳鼻科健診を行っています。 なぜ、遠く北海道の白老町で仙台市の耳鼻科医が健診を行うのか。それは私の5代目の祖先である三好監物みよしけんもつが、蝦夷地(現在の北海道)警備のために派遣され、この白老町に元陣屋を築いた事に端を発します。 当時の幕府は、寒冷地である蝦夷地を積極的に開拓しようとはせず、先住民族であるアイヌと交易を行なうに留めていました。 しかし、ロシア帝国の南下政策によって蝦夷地に食指が伸びるようになり、東北六藩に蝦夷地警備が下命されます。 仙台藩の警備責任者として赴いた三好監物は、当初予定していた元陣屋の建設地では無く、より防備に適した白老の血に目を付けます。 そして白老には仙台藩士の駐留する元陣屋が建設され、今はその跡地に仙台藩元陣屋資料館が併設されています(図2)。 時代は進み現代となり、白老町には耳鼻科健診を行うための耳鼻科医がいないと聞いた私は、これもご先祖様の繋いだご縁であると言う思いに突き動かされて、耳鼻科健診を行うに至ったのです。 初めて白老町で健診を行ってから、今年で32年になります。 今年はコロナ渦の影響で訪問時期がずれ込んでしまいましたが、私は毎年この白老町に来るのを、とても楽しみにしているのです(図3)。