2020年8月号(No.306)
はじめに
私の従弟である渡邉建介先生より、著書「水彩画と随筆」を拝受しました。渡邉先生は2011年に大学を退職後、その記念として描きためた水彩画をまとめた1冊目の画集を出版されました。
渡邉先生は、生涯を通じて水彩画を描き続けると決心し、2冊、3冊と版を重ねられて2019年に4冊目の発行と相成りました。
ご自身が訪れた世界各地の風景を、彩り豊かな水彩を用いて情感あふれる作品に仕上げられています。
本誌では、渡邉先生の珠玉の作品の数々をシリーズでご紹介いたします。
作品名「旧市街広場(プラハ)」
学会でヨーロッパのほとんどの国に行ったことはある。しかし東欧には一度も足を踏み入れたことがなかった。やっと憧れのプラハを訪問するチャンスがやってきた。
市民会館の前の火薬塔からプラハ城に向かう「王の道」を進むと旧市街広場に出る。一番目立つ建物は2本の塔を持つティーン教会だ。正式には「ティーン(税関)の前の聖母マリア教会」と言うそうだ。教会の裏に税関があったのでその名がついたらしい。