2020年10月号(No.308)
3・3(みみ)の日とひな祭り
●An.江澤アナウンサー、●Dr.三好院長
●An.三好先生の「本業」がfmいずみのDJだなんて、ちっとも知りませんでした。
●Dr.今では「副業」の耳鼻科医の仕事が忙しくって、マイクに向かうのは江澤さんと2人きりのときだけ、ですよ(笑)。
●An.江澤にとって3月3日はひな祭りなんですけど、先生の副業関係では別の意味もあるってお聞きしました。
●Dr.3月3日のことを私たち耳鼻科医は「耳の日」と称しています。
●An.3と3で「ミミ」って読みますから、ね。
●Dr.耳鼻科に関係のある暦、他に「鼻の日」というのもあるんですけど、江澤さん。何月何日か、お分かりですよね?
●An.「ハナ」の日ですか…それは8月7日! 8=ハで、7=ナ、ですもの。
●Dr.さすがは一を聞いて十を知る江澤さん。大正解です。ただこの「ハナの日」、日本の他の地域ならともかく、私たちの仙台市ではなぜか注目を集めません。それはなぜでしょう?
●An.8月7日の仙台市は旧暦で行われる七夕祭りの真っ最中で、市民はお祭り騒ぎに夢中です。スギ花粉症や副鼻腔炎など鼻疾患について思いをはせるのは、なかなか難しいかと。
●Dr.そんなわけで私たち耳鼻科医としては「耳の日」の方が、耳鼻科領域の病気への関心を向けてもらいやすいんです。3月3日は「耳の日」であるだけでなく耳、つまり聞こえにご縁のある有名な学者の誕生日でもあるんです。江澤さんは電話を発明したのが誰か、ご存じですよね?
●An.トーマス・エジソンです。エジソンの歌った「メリーさんのひつじ」の録音が、現存しているって聞きました。
●Dr.江澤さん。座布団1枚、減っちゃいましたね。トーマス・エジソンは録音機を発明した人で、最初のろう管製の録音機に、確かにエジソン自身の肉声の「メリーさんのひつじ」が保存されていますけれども、ね。
●An.それじゃあ電話を発明したのは、いったいどなたなんでしょうか?
●Dr.アレクサンダー・グラハム・ベルという英国スコットランド生まれの科学者が、1876年に発明しているんです。ベルの発明した電話が、今日これだけ発達した通信情報機器全ての先駆けだったんです。
●An.すごいことだったんですね!
●Dr.ただしグラハム・ベル自身は、家族に難聴者が多かったものですから、本当は補聴器を発明しようとして、結果的に電話の発明に至った。そう、伝えられています。いずれにしても大発明に違いはありませんから。大反響を呼びまして。1892年にはニューヨークとシカゴの間で、長距離電話回線開通式が行われています。さて、そこで江澤さん。公開実験での電話による会話の、第一声はなんというセリフだったでしょうか?
●An.日本語でしたら、江澤にも分かります。最初に電話に向かっての呼び声は「もしもし」です。
●Dr.「もしもし」という言葉は、最初に日本で英和辞典ができたとき「ハロー」という英語のあいさつ言葉の和訳が「もしもし」、つまり「申しあげます」の簡略語だったんです。
●An.もしかしたら、世界最初の電話での呼び掛け言葉は「ハロー」だった?
●Dr.それを日本人は最初の英和辞典の訳語とおりに翻訳して「もしもし」呼び掛ける習慣ができたんです。
●An.それが電話の普及とともに全国に広がったんですね。
気になる不安・疑問を専門医で解決 めまいQ&A
Q 脳に原因がある、めまいの病気について教えてください。
A 脳に原因がある病気には「真っすぐ歩けない」「グルグル回る」「フラフラする」など、さまざまな症状のめまいがあります。
例えば「真っすぐ歩けない」タイプのめまいには、先天性奇形や変性疾患など、体のバランスを取る仕組みが少しずつ崩れていく脳の病気が紛れ込んでいることがあります。
「グルグル回る」「フラフラする」めまいでも、脳の中の体のバランスに関わる部位、つまり小脳や脳幹の血管の病気が原因の場合があります。出血や梗塞、脳腫瘍でも、こんなめまいが起こるのです。
ただし、めまいの病気は脳よりも耳に原因があるケースの方が多いため、一刻も早く、まずは耳鼻科医、それも「めまい専門医」に診てもらうことをお勧めします。めまい専門医では目玉の運動観察などの特殊な検査をして、原因が耳にあるのか、それとも他の病気なのかを区別します。耳に原因があれば“めまい体操”などの特色のある治療を行い、血圧や脳に原因のあるめまいであれば、専門医を紹介します。
※めまい専門会員はめまい学会ホームページで確認できます。
URL:http://memai.jp (日本めまい平衡医学会ホームページ)