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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

白老健診かわら版アイヌ民族博物館が生まれ変わります!! 白老町教育委員会 生涯学習課 課長 武永 真

●アイヌ民族への理解を深める

 2007年、国連で「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を採択。2008年、国会で「アイヌ民族を先住民とすることを求める決議」を全会一致で決定。これを踏まえ首相官邸に設置された「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が2009年にまとめた報告において、アイヌが先住民族であるとの認識に基づき展開される「アイヌ政策の扇の要」として「象徴空間」の設置が提言されました。
 これまで本町(図1)では多くの方々にアイヌの歴史や文化などについて理解してもらうため、アイヌ民族博物館や白老アイヌ協会など関係団体とともに、全国でイベント等を積極的に開催するなどして、文化の普及と情報発信に取り組んできました。
 しかし、一般に「アイヌが先住民族であることは知っていても身近にはいない」と思い込んでいる人が多く、これまで関心を持つ機会がなかったとの感想をよく聞きます。最近は人気漫画『ゴールデンカムイ』が話題を呼び、アイヌ文化に興味を持つ人も増えていますが、まだまだ多くの人々にとってアイヌは縁遠い存在です。また、近年外国人観光客は全国的に増加していますが、グローバル化が進む中で互いのことを知り、思いやることから始まる「民族共生」という理解が、ますます重要になっています。とりわけ少数民族については、多数者側が積極的に理解を深めることが必要です。
 2020年の「民族共生象徴空間」の開設を機に、わが国の多様性、北海道の歴史の奥深さやアイヌへの理解を深めることで、民族・文化・宗教など異なる諸外国の人々との共生の土台も培われていくことになり、本町にとっても欠かせないものになるのではと思います。

(図1) (図1)

●民族共生の理念を実現する ナショナルセンター

 象徴空間開設の準備のため2018年3月に閉館した(一財)アイヌ民族博物館への来訪者の約4割は外国人でした。中でも欧米からの観光客は、その国の歴史文化とともに先住民族に対する強い関心を持っています。象徴空間は過去を展示することを主眼とした場所ではなく、民族の共生という理念を実現していくための、将来に向かって開かれた施設です。
 “今を生きるアイヌ”が伝統文化を受け継ぎ、新たなものを発展させ、来訪者はそうした姿に触れ、様々な体験交流を通じて民族共生とは何かを体感する。そして互いを尊重する姿勢を育みながら、文化の伝承・創造から新たな産業の振興、まちづくりにつなげていく。
 こうした民族共生社会のナショナルセンターとして発展していくことを、本町としても願っているところです。

●民族共生象徴空間とは

 アイヌ文化の復興等に関するナショナルセンターとして、アイヌの歴史、文化の理解促進や将来に向けてアイヌ文化を継承し、新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための複合施設です(図2)。
 その中心的な拠点となる本施設には「展示・調査研究機能」、「文化伝承・人材育成機能」、「体験交流機能」、「情報発信機能」、「公園機能」、「精神文化尊重機能」の6つの機能を持つこととされています。
 ポロト湖畔に「国立民族共生公園」が広がり、伝統舞踊を体感できる「体験交流ホール(図4、5)」、チセ(住居)群を再現した「伝統的コタン」、木彫や刺繍など伝統工芸を体験できる「工房」、アイヌの視点で語る多彩な展示で紹介する「国立アイヌ民族博物館(図3、6)」が設置されます。
 「民族共生象徴空間」が2020年4月24日(金)にオープン!

(図2)民族共生象徴空間の全体図 (図2)民族共生象徴空間の全体図

(図3)展示イメージ (図3)展示イメージ

(図4)体験交流ホール (図4)体験交流ホール

(図5)ホール内イメージ (図5)ホール内イメージ

(図6)国立アイヌ民族博物館 (図6)国立アイヌ民族博物館