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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人 〜コレラ感染を免れたビール工場〜

げんき倶楽部杜人 〜コレラ感染を免れたビール工場〜

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

〜コレラ感染を免れたビール工場〜

 耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって40年。今回は2013年7月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

コレラ感染を免れたビール工場

Dr.:  少しおさらいしましょう。河川の水が汚染されていた英国では、たびたびコレラなど感染症の流行に見舞われた。このため英国の人々はビールやエール、ジンを朝から飲んでいた。そんな中、興味深いエピソードがありまして。1832年に、ロンドンでコレラが流行したときのことなんですけど。
An.:  テムズ川の汚染のせい、ですよね。
Dr.:  その地域の住民の多くがコレラに感染したんですけど。なぜか、ビール工場の労働者だけは流行を免れたんです。
An.:  もしかするとビールを飲んでいて、汚染された水を飲まなかった、とか。
Dr.:  さすがは江澤さん。その通りです。しかし飲酒の習慣は、産業革命直後の英国の労働の妨げともなりました。
An.:  朝から酔っ払っていたんじゃあ、お仕事になりませんよね。
Dr.:  もともと英国の人々は勤勉でしたから、朝からビールを飲む生活習慣に抵抗があったのも事実です。 18世紀の有名な科学者に、ベンジャミン・フランクリンという人がいました。
An.:  嵐の中でたこ揚げをして、雷が電気であることを証明した人ですよね。
Dr.:  ベンジャミン・フランクリンは1752年、雷のちらつく嵐のさなかにたこを揚げました。たこ糸の末端には金属のワイヤが、反対側の末端には「ライデン瓶」という一種のバッテリーが付いていて、フランクリンは世界で初めて電気をバッテリーの中に取り込むことに成功します。後にアメリカの独立宣言の起草に当たるなど重要な役割を演じ、アメリカ建国の父と呼ばれる人なんですけど。彼は若い頃、英国で印刷工の仕事をしていたことがあるんです。1724年から26年のことです。江澤さん。「路地裏の大英帝国」というこの本を朗読してください。
An.:  フランクリン自伝の一部分ですね。「私の飲み物は水だけだったが、他の職工たちはみな大のビール党だった。私の相棒などは、朝食前に約500㎖、朝食時に約500㎖、朝食と昼食の間に約500㎖、昼食に約500㎖、午後6時に約500㎖、寝る前に約500㎖、毎日飲むのだった」。先生、1日に3㎖飲んでますよ。 
Dr.:  その本に書いてあるように、職工たちは激しい労働に耐える体づくりのために、こんなにビールを飲んだんです。仲間との付き合いという、現代社会でも共通の意味もあったんですね(笑)。いずれにしてもこうした飲酒の習慣は、産業革命以前の古い労働習慣に根付くもので、前にも触れましたが産業革命とともになくなります。機械が動くのに合わせて、緻密で正確な労働が必要になりますから。
An.:  それを「Time is Money」って言うんですね(笑)。
Dr.:  そのセリフ、実はこのフランクリンの言葉なんですよ。お話はここから次回に続く、です。本日も楽しいお話に付き合っていただき、ありがとうございました。

気になる不安・疑問を専門医で解決

めまいQ&A

Q:  受診や治療に一刻を争うようなめまいの病気はありますか。
A:  めまいの病気の中には、油断すると元の健康な状態に二度と戻ることのできないような疾患もあります。例えば「突発性難聴」は早期発見・早期治療が大切なめまいの疾患の代表格。ある日、ある瞬間に、急に耳の聞こえが落ちて耳鳴りがし「グルグル」や「フラフラ」などいろんなめまいが起きる病気です。原因はウイルス感染などさまざまですが、内耳の血管が詰まってしまった場合などは神経に影響が出る前に、一刻も早く詰まりを除去する必要があります。この早期発見・早期治療の目安は、聞こえが悪くなってから1週間、遅くても10日間以内。それまでに手を打たなければ、手遅れになると考えられています。
 他にも、ある日突然「耳が変だ」と感じたり、めまいや耳鳴りを伴ったりする疾患には「脳腫瘍」など命に関わる場合があります。最近は、MRIなどの精密診断機器を使って比較的早いうちに診断が可能です。めまいの症状が出たら、すぐに「めまい専門医」を受診し、早期発見・早期治療に努めることが大切です。