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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人 〜ロビンソン・クルーソーと砂糖貿易〜

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An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

〜ブラジルの〝さんば〟さん?〜

 耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって40年。今回は2013年7月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

ブラジルの〝さんば〟さん?

Dr.:  私は以前、ブラジル・フォルタレーザ市でJICA(国際協力機構)のプロジェクトに協力したことがあります。このプロジェクトは、ポルトガル語で「Projeto Luz=光のプロジェクト」という名前でした。
An.:  「光のプロジェクト」、なんてステキな名前でしょう。
Dr.:  ブラジルでは出産のことを「dar a luz=光に与える」って言い方をするんです。ところで今でこそ日本は世界一衛生的な環境で、細菌感染とは無縁な状況ですが、それは比較的近年のことで、昔から清潔な環境が整っていたわけじゃありません。
An.:  出産も?
Dr.:  感染症を引き起こす細菌が発見されたのが19世紀の半ばでしたから、それ以前は消毒や滅菌といった基本的衛生概念がなかった。「産褥熱」、つまり出産時の感染で亡くなる母体が少なくなかったんです。清潔な状態をキープしてやればなくなりますが、それは現在の日本だから実現可能な一面もありまして。ブラジルのような広大な土地で、十分な医療環境が整備されていなかったら…。ましてブラジルは日本のような温暖な土地じゃありません。
An.:  熱帯気候ですからね。
Dr.:  医者の数も不足していますし、看護師はさらに少ない。妊婦が出産時に誰にもかまってもらえないばかりか、医師がいても自然に生まれてくるのを待てず、切開して出産することが当たり前になっていたんです。その体制の打開に尽力したのが「光のプロジェクト」でした。
An.:  それは具体的にどんな?
Dr.:  耳鼻咽喉科領域のお話じゃないので十分な説明か、不安ではありますが。ブラジル流じゃなく日本の出産法、つまり出産予定日前から母子の十分なケアを行い、自然な出産をスムーズにヘルプしてやる、助産婦さんの積極的な活用とそのための助産婦さんの育成。それがこのプロジェクトの骨子です。
An.:  日本の知恵が活用されたんですね! 
Dr.:  母子との人間的な関係作りに力を入れ、出産も入院したその部屋でできるよう工夫されています。実はそんな出産環境の作成に、仙台市の建築家がブラジルまで行っているんです。
An.:  先生もお力添えしたんでしたね?
Dr.:  私はプロジェクトの中心になった東北大の医師と、JICAの担当者との間に立ちました。現地の日本人関係者とのつなぎ役を務め、ブラジルで関係者と会ったりしました。
An.:  現地は暑いんでしょう?
Dr.:  南半球と北半球とでは夏と冬が逆ですから、現地が少しでも涼しい冬、つまり日本の夏に出掛けるんです。おまけにブラジルは私たちの立っている、この真下です。
An.:  そうか! 時差は12時間。昼と夜も完全に反対ですね。
Dr.:  「そんな思いをして、どうして行くんですか」って聞かれるんです。「『サンバ』でも見に行くんですか」って。
An.:  実は先生は“産婆”さん、つまり助産婦さんを見に行ったんですよね(笑)
Dr.:  江澤さんのギャグが本日の「落ち」です。

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めまいQ&A

Q:  「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」の治療について教えてください。
A:  BPPVは内耳の「半規管」に「耳石器」から剥がれた石が紛れ込み、この石が体の姿勢を変えるたびに神経細胞を刺激し、めまいが起こる疾患です。半規管の神経細胞が刺激されるような姿勢をとってから一瞬間を置いて、めまい発作が起きるのがその特徴です。この一瞬の間は「①姿勢が変わる」→「②重力に従って半規管内の石がゆっくり動く」→「③神経細胞を刺激する」という順序があるために生じます。
 BPPVには「エプリー法」と呼ばれる治療が行われます。ベッドに横になり首をベッドの端から出して、医師の指導でゆっくり首をひねりながら半規管内の石を重力に従って少しずつ移動させ、最後は耳石器のある内耳の前方へ出してしまうのが、その方法。石が複数個、半規管に入っていた場合も2、3回繰り返して行うことで完全に外へ出すことができます。痛みもなく「めまい専門医」なら誰でもできる治療法です。めまいを防ぐため、治療の前に飲み薬や注射で安定剤を使用してから実施する必要があります。