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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

3443アーカイブ(1) 「増加するアレルギー体質」 東京の医師 白老町の小中学校で6年間追跡調査

●掲載記事を紹介

 ここでは、過去に新聞・雑誌に掲載された、院長のアレルギー研究に関する記事をご紹介します。

原因はダニ、ハウスダスト

 アレルギーの原因物質(アレルゲン)は成長とともに変化する。乳幼児は食物が多いが、幼児期からは環境中のダニやハウスダスト(家のほこり)などが目立つようになる。そのアレルギー体質について東京都立荏原病院耳鼻咽喉(いんこう)科の三辺武幸医長は『高学年になるほど増加しているだけでなく、同学年でも年ごとに増加傾向を示す』と分析する。

中1男子60%が陽性

 三辺医長、仙台市の開業医三好彰さんらのグループが実施した追跡調査がある。この調査は胆振管内白老町で一九八九年から小学校一年、四年、中学校一年生の全員を対象にアレルゲンになるハウスダスト、ヤケヒョウダニ、スギ花粉に対する皮膚反応検査を毎年同じ時期に続けてきた。  毎年ほぼ全員に当たる約九百人が受診。これまでのデータを分析したところ、平均で、どれか一種類でも陽性、つまりアレルギー体質を持つ子供は、小学一年で二七%、小学四年で三三%、中学一年が四四%と高学年ほど陽性率が上昇していた。さらに、ダニに陽性の子供が目立ち、続いてハウスダストの順番で、本道にスギがほとんどないことからスギ花粉の陽性者が少ないことが分かった。  『陰性だった子供も高学年になるにつれてアレルギー体質になるケースが多い。しかも陽性者はなぜか女子より男子が多く、中学一年の男子はなんと六〇%近くがいずれかに陽性反応』と三辺医長は説明する。

年々なりやすい環境に

 さらに、新しい事実も明らかになってきた。同一の学年を比較すると、いずれかの検査に陽性に示す割合が年ごとに増加しているのだ。  小学一年で見ると、八九年には三三%、九〇年に三四%を占め、九一年には一六%といったん減少したものの、再び増加に転じて九三年の三四%、九四年には四二%と明らかに増加傾向を示し、中学一年でも八九年の四九%が九四年には五七%に増加している。この事実は年ごとにアレルギー体質になりやすい環境になっていることを物語る。  環境によってアレルギー体質が左右されることは、栃木県栗山村のデータも裏付けている。三辺医長らが九二年から白老町と同じように小学一年、小学四年、中学一年の全員を調べた。ダニの陽性が最も多く、続いてハウスダストの順番だったが、スギ花粉に対する陽性率が、二五%を占めていた。地域にスギが多く、環境の影響をもろに受けている様子をはっきり示す。

1割に症状

 この事実はアレルギー体質をつくらない環境にすることがいかに大切かを明らかにする。最大の原因になるダニの増加は、最近の住宅が床にじゅうたんを敷き詰め、窓はアルミサッシなどの普及で気密化して、室内の温度が高くなって、ダニの住みやすい環境になっているためだ。  ほこりのたまりやすい物をできるだけ取り除いて、こまめに掃除をし、通気を心掛けることが大切なことが分かる。  『最近流行している羽毛布団も原因になりやすい。アレルギー体質だからと言って、すぐにアトピー性皮膚炎やぜんそくになるわけではなく、症状が出るのは、その一割程度ではないか』  三辺医長らは、九五年に、白老町などの各家庭を訪れて環境がアレルギー体質にどれくらい影響しているかを突き止めるため、実際にダニの繁殖状況などを調べる計画だ。

北海タイムス 1995年1月17日(火)より(図1)

(図1) (図1)

●医学コミックの紹介

 ダニやハウスダウトを原因とするアレルギーについて、マンガで分かりやすく解説しています。当院ホームページで無料閲覧できますので、どうぞご覧下さい(図2)。

(図2) (図2)