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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人 〜エールに取って代わった紅茶〜

げんき倶楽部杜人 〜エールに取って代わった紅茶〜

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

〜エールに取って代わった紅茶〜

 耳・鼻・喉に関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって40年。今回は2013年6月にfmいずみで放送された内容を紹介します。
[An.…江澤アナウンサー、Dr.…三好院長]

『英国生活物語』W・J リーダー著 『英国生活物語』W・J リーダー著

エールに取って代わった紅茶

An.:  紅茶を飲む習慣が定着するまで、英国の人々は水ではなくエールと呼ばれるビールを愛飲していた。それは英国の水はあまり清潔ではなかったし、清潔な水はエールと同じくらい高価だったからだ、と前回教えていただきました。
Dr.:  当時の英国には冷蔵庫がなかったので、牛乳もばい菌の繁殖が起こりやすく、結核菌の感染源になっていたんです。
An.:  健康に良いイメージのある牛乳ですが、それじゃ、当時の英国の人たちは困っちゃいますね!
Dr.:  それに対してビールは穏やかな殺菌作用がありますし、エネルギー補充にも役立ちます。私たちも1日の仕事を終え、グッと飲み干すビールには精神的な栄養補充の役割があるって実感します(笑)。
An.:  リラックスしますし、ね。
Dr.:  ところが当時の英国ではエールのおかげで、そうしたリラックス状態が1日中継続していたんです。資料を読みますと、英国宮廷のある年代記作者が「紳士も淑女も朝、昼、夜と、頭がボーッとしていた」と。その状態に輪をかけたのが、オランダからのジンの輸入です。
An.:  ジンって、とても強いお酒ですよね。アルコール度40%くらいの。
Dr.:  「茶の世界史」という本によりますと、当時英国の全ての男女および乳児や子どもたちは毎日ジンをグラス1杯と缶ビール2.5本を飲んでいた計算になるそうです。そんな社会環境では、いかに当時英国で産業革命が進行していても、機械化した業務は不可能です。
An.:  危険ですものね。
Dr.:  そこでアルコールの入っていない飲料として、お茶の需要が急増したんです。ところがその頃、お茶は当時の中国、清の国では広東からしか輸出されませんでした。しかも中国は一種の鎖国状態でしたから自由な売買はできず、お茶はとっても高価だったんです。
An.:  日本のお茶は、英国では売れなかったんでしょうか? 
Dr.:  日本の緑茶は当初英国でもニーズがあったみたいなんですけど、その後、お茶にミルクと砂糖を入れる習慣が流行となって…。
An.:  緑茶にミルクと砂糖を入れるのは、ちょっと考えものですからね。
Dr.:  高価だったお茶は模造品も多く出回っていたらしく、紅茶よりも緑茶の方が模造品を作りやすかったらしいんです。
An.:  緑茶は信用をなくした?
Dr.:  紅茶だって、模造品や混ぜ物が皆無だったわけじゃありません。先日、江澤さんにお土産にしたように、紅茶は小分けにして手頃な大きさの缶に詰められていますが、あの缶には実用的な意味がありまして。量り売りの状態では、中国から英国へ至るルートのどこで混ぜ物が入れられるか分かりません。原産地であの小さな缶に紅茶を詰め、そこで封印をしてしまえば…。
An.:  まがいものの混入される可能性はゼロですね!
Dr.:  そうした工夫の結果、江澤さんのお手元にしゃれた缶入りの本場の紅茶が届くことになったんです。
An.:  江澤の紅茶は、そうした歴史の積み重ねだったんですね(笑)。

気になる不安・疑問を専門医で解決

めまいQ&A

Q:  目の前が暗くなる“立ちくらみ型”のめまいについて、教えてください。
A:  一瞬クラッとして気が遠くなる感覚のあるめまいのほとんどは、脳の循環、つまり血の巡りの悪化が原因で起こります。人の体のバランスは耳の神経と小脳を中心とした脳によって保たれていますが、この耳と小脳に血液を送っているのは同じ血管です。長時間立っているときなどに生じる「起立性低血圧(OD)」によって循環システムの調子が悪くなり、耳や小脳への血の巡りが悪化して立ちくらみが起こるのです。このODは意外に多く「原因不明のめまい」として当院を受診する方の相当数を占めています。診断には安静時、つまり寝ているときの血圧とその直後の立っているときの血圧変化を10分間連続で測定する必要があって、この測定を行う医療機関が多くないのが「原因不明」となってしまう由縁です。いくつか病院を受診しても原因が分からず、当院で血圧を測って、ようやく判明した例もあります。
 めまいの診断には「めまい専門医」の耳鼻科を受診することをお勧めします。