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群馬県みなかみ町訪問レポート ~「月夜野」への思い~ 秘書課

はじめに

 2017年7月20日(木)、本紙8月号でご紹介した「禅の芸術展覧会」のご縁で、曹洞宗・嶽林寺の鈴木潔州住職を訪ねて群馬県みなかみ町に行って来ました。
 かつて「月夜野」と呼ばれたこの地は、平安時代の歌人・源順が立ち寄った際、月夜の景色に感銘を受けて詠んだ歌が名前の由来になったと言い伝えられています。

●NHK連続テレビ小説「水色の時」

 1975年4月から10月にかけて放映された、大竹しのぶ主演のNHK連続テレビ小説「水色の時」を皆様はご存知でしょうか。
 長野県松本を舞台に、大竹しのぶが演じる女医志望の「松宮知子」が、香川京子が演じる母親で看護師の「松宮房子」との親子関係、家族のあるべき姿を視聴者の心に訴えかける心温まるドラマでした。

●「月夜野」への想い

 ドラマ放送時、院長は難聴の研究のため信州大学の故・鈴木篤郎教授の元を訪れていました。
 東北自動車道によって仙台・埼玉が結ばれたのがこの年代ですので、長野県の松本までは一般道を使う必要がありました。
 仙台を南下し、栃木県の日光から西へ進路を変えると越後山脈に入ります。
 そこから長野県上田市にいたるルートはドイツの観光街道にあやかって「ロマンティック街道」と呼ばれています。本場ドイツのそれと同じように風光明媚な観光名所が多く連なることから、1988年に2つの街道は姉妹街道の締結がなされました。
 奥日光から更に西へ進んでいき、名峰・赤城山に見下ろされる盆地に月夜野はあります。
 院長は、学生時代に知った月夜野という情緒深い地名が忘れられず、「いつかこの町を再び必ず訪れる」と心に決めていたそうです。
 その想いは、40数年が経った今回の訪問で果される事になりました。

●風光明媚な町・みなかみ町

 仙台からみなかみ町までは、東北新幹線と上越新幹線でたったの2時間弱で行くことができます。東北新幹線を大宮駅で上越新幹線に乗り換え、上毛高原駅で降車します。
 上毛高原駅に降り立つと、そこはすぐ目の前に清々しい自然と澄み切った光り輝く綺麗な空気とに包まれます。
 自然豊かなみなかみ町は、群馬県の最北端に位置し、県内で最も広い面積を持つ町です。利根川の源流に位置する町でもあり、利根川と、大峰山・三峰山の山々の稜線とのコントラストがとても美しい町です。

●日本百名月「月夜野の月/視月会」

 この風光明媚な地には、ずっと思い続けていた「月夜野」である月夜野町という町がありました。しかし、現在は2005年の町村合併でみなかみ町になり、このみなかみ町に「月夜野」という地名が残っています。
 さて、「月夜野」の由来ですが、諸説ある中の一説によりますと、平安時代の歌人・源順が東国巡業の際にこの地を通り、三峰山に昇る月を見て、「よき月よのう」と感銘したからだそうです。
 今でも平安時代からの月の美しさは変わらず、現在は日本屈指の美しい月を認定する日本百名月の認定登録第6号に「月夜野の月」が選ばれています。
 みなかみ町には、その日本百名月「月夜野の月」を、大峰山・三峰山の山々と一緒に鑑賞できる素晴らしい場所があります。それこそが、「嶽林寺」(群馬県利根郡みなかみ町月夜野1697)というお寺なのです(図1)。
 「嶽林寺」は、上越新幹線の上毛高原駅から徒歩5分、駅の西側のみなかみ町を一望できる高台にあります。1505年(永正2年)小川城二代・小川景佑公を開基に在天宗奝禅師を開山として創建され、義民茂左衛門、白子屋お駒の善提寺としても知らている、由緒あるお寺です。
 ちなみに、茂左衛門は、「月夜野」の出生で、時の城主・真田伊賀守の施政に義憤を感じ、沼田領七十七カ村領民のために一身を犠牲にして磔柱上の露と消えた義人です。
 児童福祉法推薦文化財の上毛かるた「天下の義民・茂左衛門」としても有名です。
 この「嶽林寺」では、毎年、中秋の名月に、「月夜野の月」を鑑賞する「視月会」を開催しています。月の神秘的な美しさと、月のあかりが照らし出す利根川と山々の稜線はどんなに魅力的なものでしょう。

(図1) (図1)

●さいごに

 さらに、みなかみ町は日本を代表する温泉地でもあります。なんと18湯もあって、その泉質は、柔らくて肌に優しく、体の芯まで温まると大変評判です。しかも、その18湯には、単純泉やメタけい酸含有泉、ナトリウム・カリウム一硫酸塩・塩化物泉など、異なる泉質でもありますので、それぞれの効能の違いも楽しめる温泉地なのです(図2)。
 「月夜野」のある群馬県みなかみ町をざっとご紹介しましたが、まだまだその魅力をお伝えし切れません。これから紅葉の時期に入ります。皆様もみなかみ町に足を運んでいただき、中秋の名月には嶽林寺の「視月会」で「月夜野の月」を。美しい利根川と大峰山、霊峰・三峰山と一緒に鑑賞し、みなかみ町自慢の18種の温泉に浸かってみてはいかがですか。きっと禅の世界が広がり、日頃の心身の疲れと煩悩を癒してくれることでしょう。

(図2)1974年1月4日早朝、修行のため霊峰・三峰山に山籠もりした院長 (図2)1974年1月4日早朝、修行のため霊峰・三峰山に山籠もりした院長