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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

2016年アレルギー調査レポ7 〜ノモンハンを巡る旅〜 総務課 青柳 健太

引き続きまして2016年中国アレルギー調査レポートをご紹介します。

●5日目 9月18日(日) 満州里 → アル山

 前号までのあらすじは、日ソ間による国境紛争のあったハルハ川沿いのノモンハンにて、紛争の記録が残されたノモンハン戦争陳列記念館を見学したところまでお話が進みました。
 さて、祈念館を後にした一行は、モンゴルとの国境が走る大草原を臨みつつ、
 車の行く手を遮るものが何一つない道路を走り抜けます。

○ハラハラの長距離移動

 車窓から見える果てしない草原と、日差しの暖かさからウトウトと眠気が襲ってきます。それは参加者やガイドさんのみならず、すべての人に平等に訪れるものです。
 そう……運転手さんにも!
 最初に気づいたのは、バスの前の方に座っていた私とガイドの胡琛さんだったと思います。
 バックミラーに映る運転手さんの頭が時たまユラユラと揺れたかと思うと、一瞬目を瞑る動作を繰り返しています。……アレ? 居眠り運転?
 とたんに背中に冷や汗が流れ出ます(汗)。
 まだ残りの道程は100㎞程もあり、なおかつ車は時速100㎞(速度超過の警告音が聞こえています)ほどで走っています。
 これはヤバイやつでは……(大汗)と、さすがに何人かが心配そうに運転席を見つめています。
 ガイドさんが飴の差し入れや、休憩を挟むよう申し出ますが、気難しい運転手さんのようでどれも受け入れては貰えなかった様子(滝汗)。
 いいから! 意地はらないでいいから‼
 こうなりゃ最後の手段……。
「あぁ~! トイレに行きたいなぁ~‼(涙)」と小芝居をうってトイレ休憩を要求。これには運転手さんも渋々と車をガソリンスタンドに止めてくれました。
 しかし、多少の眠気は取って貰いたかったにも関わらず急かされてしまい、5分後には再び車の中に戻され、運転手さんの頭のユラユラ運動と共にデス・マーチが再開されました(血涙)。
 私の頭の中には「日本人観光客8名が内モンゴルにて事故」というテレビ画面のテロップが流れ出し、早く目的地に着いて欲しいと心の底から祈りを捧げていました(図1)。

(図1)アル山まで残り17kmと記された看板 (図1)アル山まで残り17kmと記された看板

○アル山市

 対向車線を走る大型トラックとのギリギリのすれ違いや、カーブでのオーバーラップ、曲がるべき道を通り過ぎるなどのアクシデントがあったものの、無事に宿泊地であるアル山市に到着しました。
 生きて大地に足を着ける事ができて本当に良かった(歓喜)。
 アル山市は比較的新しい観光地として整備された町です。人口は約8000人ほどですが、街並みは1本の主要道路の脇に商店やホテルが建ち並び、暖色系の照明が通りの建物を照らしています。
 東と西を小高い山に囲まれたアル山市は温泉地としても有名で、市内数ヶ所に温泉浴場が建てられているそうです。
 残念ながら、私たちの泊まるホテルはシャワーのみが付いており、温泉に浸かることは出来ませんでした。
 今でこそ一般人が訪れる名所となったアル山市ですが、戦中は西から攻めて来るであろうソ連軍を迎え撃つべく、街道沿いにはトーチカや飛行場が整備されていたそうです。

○夕食「紅高梁」(図2)

(図2)レストラン「紅高梁」の前 (図2)レストラン「紅高梁」の前

 ホテルから徒歩5分ほどの場所にあるレストランで夕食です。

○前菜・冷奴「風」サラダ(図3)

(図3)冷奴「風」のサラダ (図3)冷奴「風」のサラダ

 そろそろ日本の味が恋しくなるタイミングに登場したあくまで冷奴「風」のサラダです。
 あの、食べなれた冷えた豆腐の食感と醤油の合わさった風味を連想しつつ口に運ぶと、なぜかモツ鍋のようなお味が……。その衝撃が強かったため、細かい味を覚えておりませんでした。

○キャベツの唐辛子と山椒炒め(図4)

(図4)キャベツの唐辛子と山椒炒め (図4)キャベツの唐辛子と山椒炒め

 シャクシャクのキャベツを熱した鍋に入れ、唐辛子と山椒と共に一気に炒めます。塩と黒酢のシンプルな味付けでしたが、四川省の陳麻婆豆腐に入っている山椒とはまた違い、そこまで舌にビリビリとはきませんでした。

○キュウリとエビとキクラゲのカシューナッツ炒め(図5)

(図5)キュウリとエビとキクラゲのカシューナッツ炒め (図5)キュウリとエビとキクラゲのカシューナッツ炒め

 こちらも炒め物ですが、キュウリの瑞々しさとエビの風味がコクを出し、カシューナッツの食感がアクセントとなって箸を進めさせてくれます。
 個人的にキュウリは、生でそのまま食べても良し、漬けても良し、油で炒めて良しの手ごろな野菜です。特に皮を取って炒めると、適度な身の柔らかさと食感が、口中に潤いを与えてくれます。

○牛肉とチンゲン菜の醤油炒め(図6)

(図6)牛肉とチンゲン菜の醤油炒め (図6)牛肉とチンゲン菜の醤油炒め

 日本で見かけるようなオーソドックスな料理です。牛肉は炒める前に醤油や片栗粉で下ごしらえをしているので、表面にトロッとした餡が絡まっています。
 味は醤油ベースのシンプルなものですが、牛肉のコクが合わさることで味に深みが出ています。

○ラム肉のクミン炒め(図7)

(図7)ラム肉のクミン炒め (図7)ラム肉のクミン炒め

 一般的な東北地方の家庭料理のようで、ラム肉を唐辛子や香辛料(クミン)などと一緒に炒めます。
 お肉は一度、油で素揚げをして、野菜を炒める時に合わせるようです。
 ここでは玉ねぎとエノキ茸も加わり、ちょっと辛めで油もやや強めな感じでした。
 日本で食べるラム肉よりも、やはり臭みは少なく、肉質も柔らかくて食べやすいという印象を受けます。

○牛肉と唐辛子炒め(図8)

(図8)牛肉と唐辛子炒め (図8)牛肉と唐辛子炒め

 肉野菜炒めの第三弾です。
 こちらは、唐辛子の入った見た目通りに辛い料理です。
 牛肉はバラ肉を使っているのか、やや油が強めに感じました。ここまでくると結構お腹も満たされているので、なかなか食が進まなくなってきました。
 しかし、食べきれないほどの料理を出すのが中国料理のおもてなしと言われているので、心が痛みつつもお残しをしてしまいました。

○キノコのスープ(図9)

(図9)キノコのスープ (図9)キノコのスープ

 キクラゲやシメジなどのキノコ類が入ったスープです。
 中国でのスープ料理と言えば、大まかに唐辛子などの香辛料がこれでもか! と入った真っ赤な「紅湯」と、写真の様に白濁とした「白湯」の2つに分けられます。
 前者は、詳しい説明は恐らくいらないでしょう……。後者はチキンスープや、野菜、キノコ類などをベースとした物が多いのが特徴です。
 胃とお尻に自信のある方は、辛い方のスープもお試し下さい。
 このお店のスープは、少し塩味が強めでした。東北料理は総じて濃い目の味付けが多いそうなので、まさに現地の味という事でしょう。

○カボチャの揚げ団子(図10)

(図10)カボチャの揚げ団子 (図10)カボチャの揚げ団子

 一番おいしかったのがこの揚げ団子です。中国料理では結構な頻度でデザートに揚げ団子が出てきます。衣はサクサクで中にはアンコが詰まっています。
 この団子の生地にはカボチャが練り込まれており、カボチャの甘味も加わって何個でもいける一品です(甘党)。

○紅米酒(図11)

(図11)紅米酒 (図11)紅米酒

 こちらは、色が赤いお米を使って造られたお酒です。今でこそ中国東北部では主に白米が作られていますが、それ以前は害虫や環境の変化に強い紅米が栽培されていました。
 日本でも赤米として栽培がなされ、その起源は古く飛鳥時代の遺跡から赤米を納品したとする木簡が見つかっているそうです。
 紹興酒などと同じ醸造酒に区分され、アルコール度数は大体14~18度位です。
 そして、付け合わせがピーナッツの塩炒め(図12)。塩っ辛さが、少し甘めの紅米酒との相性を高めるため、飲んでは食べるを繰り返してしまう危ない一品です。

 賑やかな夕食が終わって外に出ると、ひんやりとした肌寒い空気が体を包み込みます。
 気温は12度位まで落ち込み、口から吐く息は白いモヤとなって立ち昇りました。
 周囲に大きな町がないのでさぞ綺麗な星空が見えるのではないかと期待したのですが、アル山市自体のネオンが非常に強く、星の一つも見えませんでした。
 一行は「寒い寒い……」と呟きながら、ホテルまでの帰路につきました。

つづく

(図12)ピーナッツの塩炒め (図12)ピーナッツの塩炒め

(図13) (図13)