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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

fmいずみ ラジオ3443通信 ピアス9

◆番組情報
fmいずみ797「be a live」にて 毎週火曜10:20〜10:30まで放送中‼

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

fmいずみ ラジオ3443通信 ピアス(9)目次

191 白い糸の正体

An.:  三好先生、「都市伝説」として名高い、あのコワーイお話。「ピアスの白い糸」について、話題はいよいよ核心に向かっています。
 ここまでの先生のご説明では、引っ張ると失明すると伝えられている白い糸。それは耳の神経だと伝えられているんですが。
 耳は耳でも、耳たぶつまり外耳ではなくって、内耳を走行している顔面神経のことらしい・・・・・・。
 それがどうして失明の恐怖に発展するのかと言うと、耳の手術などで顔面神経が傷つくと、顔の表情筋がマヒして瞼が閉じなくなる。しかも無理して目を開こうとすると、眼球つまり目玉が上に向けて上転する。それがまるで、目玉がクルッと回っちゃうように見える。
 そういう医学的な真実が、女子高校生の間で「伝言ゲーム」みたいな伝えられ方をしているうちに、目が閉じなくなる事実が逆の目が開かなくなる、という話に転じ・・・・・・。
Dr.:  目が見えなくなる、つまり失明するという伝説になってしまうワケですよね(笑)。
An.:  そこで江澤の素朴な疑問なんですけれど、先生。
 その顔面神経と見まちがうような「白い糸」が、先生のお話では現実に存在するのだとか・・・・・・。
 江澤にはまだ、到底信じられないような気がするんです(笑)。
Dr.:  ここにその「白い糸」の写真を持って来ています。江澤さんのその何でも見通すつぶらな瞳で、しっかり見つめてください(笑)。
An.:  せ、先生。この写真には耳たぶが写っていて、そして先生がピンセットで引き出そうとしておられるのは・・・・・・。
 江澤の瞳には、確かに白い糸に見えます。
 先生は、顔面神経を引っ張っている(笑)ワケじゃあありませんよね?
Dr.:  江澤さん。ピアスを耳たぶに装着つまりピアシングすると、当初ピアスに接触しているのはいわば「生キズ」です。
An.:  それは、判ります。
Dr.:  時間の経過とともに、そこには薄い上皮すなわち皮膚が張ります。これを上皮化と表現します。
 ちょうど傷が治癒する過程と、同じ原理なんですけれども。
An.:  ピアシングも、そう言えば傷を作ることになりますもの、ね。
Dr.:  そうしてピアス・ホールに上皮が張り終えた頃。
An.:  確か、皮膚がホールにきちんと張ってしまえば、ピアス・ホールは完成でしたよね?
 その頃になると、ファースト・ピアスから、他のおしゃれなピアスに着け替えて楽しむこともできる・・・・・・。
Dr.:  江澤さん! 良いところに気がつきましたねぇ!  これで「白い糸」のナゾは、半分解決しました(笑)。
An.:  えっ、どうしてですか?
Dr.:  ピアスを着け替えるときに、少し太めのポストのピアスを装着すると・・・・・・。
An.:  ピアス・ホールは、キツキツになっちゃいますよね?
Dr.:  次に、そのキツめのピアスを外して、他のピアスをと思ったそのときに。
 なかなかスムースに太いピアスは、外れませんから。
 思いっきり、ピアス・ポストを手前に引くと。ポストに密着していたホールの薄い上皮が、ポストにくっついたまんま・・・・・・。
An.:  ピアス・ホールの外まで、皮膚の皮がズルズル剥けてきます。
Dr.:  この写真が、その瞬間なんです(笑)!
An.:  先生!!  ・・・・・・この江澤にも真実が見えてきました(笑)!
 つまりピアスの「白い糸」とは、ピアス・ホールの内側に薄く張っていた上皮が。
Dr.:  キツめのピアスを引っ張り出すそのときに(笑)。
An.:  一緒になって、外に引きずり出される。
 ちょうど陽に焼けた、夏の健康そうなお肌が剥がれてくる、そのときみたいに!
Dr.:  クルリと剥けた皮膚のロールが、ホールの外までお付き合いで出るんですね(笑)!
 それが傍目には、まるで「白い糸」に見えるんです(笑)。
An.:  それじゃあ先生、整理しますと・・・・・・。
 恐怖の都市伝説「ピアスの白い糸」は、決してまるで根拠のない女子高校生の間だけの妄想ではない。
 白い糸は、実際に耳たぶのピアス・ホールから出てくるけれども、それは糸ではなくって剥がれたピアス・ホールの薄い上皮のロールである。
 耳の中には実際に神経が走行していて、それはこの場合顔面神経のことを指している。しかし耳という言葉は、最初に連想され易い外耳だけを示しているわけではなく、脳に近い内耳をも意味している。そして、その両者は混同されている。
 顔面神経を傷つけると、顔が曲がり目が閉じなくなる。
 けれどもこの医学的事実は、女子高校生の間で伝言ゲームを繰り返すうちに、目が開かなくなる、だから目が見えなくなるつまり失明するとのウワサ話に転じた。
Dr.:  真実はきっとそうなんでしょうけれども、どうしてこんなウワサ話がはびこるようになったのか。
 江澤さんの名推理を、どうぞ!
An.:  ええっと。江澤の拙い想像なんですけれど、三好先生。
 世間一般の通例で申しますと、根拠のない幽霊のようなお話が人からヒトへと、伝染するように伝わるのは、ですね。
 どちらかと言うと、公にできない、ごく内輪の閉ざされた空間で発生することが多いような?
Dr.:  さすがは1を聞いて10を知る江澤さん。
 今回の都市伝説も、親に隠れて自分たちだけでピアシングする、女子高校生同士のウワサ話だったので、一見理屈の通らないようなヘンなお話になってしまったんです。
An.:  でもそのヘンなウワサ話も、じっくり考えるとそれなりの根拠のあるお話でしたね!
Dr.:  実はその幽霊話には足があった(笑)。
Dr.:  本日もありがとうございました。
白い糸 白い糸


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