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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

ドクター紹介
藤原 久郎  先生
(愛野記念病院 耳鼻咽喉科)


 昨年に比べ、スギ花粉の飛散量は3倍以上とも言われた今シーズン。診療のお手伝いをお願いした長崎県の元藤原ENTクリニック院長・藤原久郎先生から、応援メッセージを頂きました。

応援診療日記

 3月はスギの飛散シーズンです。私は3月7、8日に忙しすぎる三好先生への応援診療のため仙台を訪問しました。菜の花の咲く長崎からなので仙台の冷たい空気のお出迎えは新鮮で美味しく感じました。
 さて、診察で最も印象深かったのは、めまいで隣県福島の南相馬から来ている初老のご婦人でした。福島の厳しい医療環境と耳鼻科の抱える医療の問題に直面したからです。この方は4年前の震災後、南相馬から逃れて行った避難場所で脳梗塞を発症しました。その後も悲劇は続き、くも膜下出血もおこしたため、遠い会津若松まで運ばれ脳外科手術を受けられていました。後遺症を少し残していましたが、幸いにも生き延びておられた方だったのです。その後、南相馬の方に帰られたのですが、様々なストレスを受けたために体重は10㌔も減少、今回は耳管開放症という難病にかかられたのです。その上、続いて耳からのめまいにも苦しめられていた方でした。同伴する娘さんの勤務の関係で、休みの取れる土日に三好先生の所に通われていたのですが。高速を使ってもたっぷり2時間はかかる遠方からの患者さんでした。
 耳管開放症は鼓膜所見が正常なのですが、自分の声が耳に響くという難病です。症状は苦しく有効な薬物治療法がないために患者さんは色んな耳鼻科を受診しても治らないためドクターショッピングを繰り返す傾向になる特徴があります。ご婦人は三好クリニックで治してもらいました。
 めまいに至っては本人さんしか苦しみは解らないのですが、その苦しみの根っ子はストレスが原因である事が多いために、めまいの薬物治療だけでなくそのストレス原因を取り除く治療が必要なのです。
 私たちは苦しみを共有する事は出来ませんが、寄り添う事でその人を支える治療は可能です。三好先生はその寄りそうケア医療をもしているのです。ご婦人は涙を流して帰られましたが、医師は薬を出すだけが仕事ではありません。
 耳鼻科には心のケア治療が必要な患者さんが多々おられます。被災地ではこの様な方々が多くおられる事を予測させる医療環境が在るようです。

 三好先生は患者さんの心のケア治療をもしている耳鼻科医なので日々忙しいのです。忙しくなるような診療をしているので、日々ご苦労さんです。