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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

げんき倶楽部杜人

げんき倶楽部杜人学校健診その15

  耳・鼻・のどに関する病気を扱う「三好耳鼻咽喉科クリニック」の三好彰院長は、耳鼻咽喉の診療に携わって30年余り。今回は2012年11月にfmいずみで放送された内容を紹介する。

An.:…江澤アナウンサー、Dr.:…三好院長]

~シリーズ 学校健診その15~

An.: 三好先生、前回はお茶のお話から茶馬古道の交易ルートのお話、そしてチベットにおけるバター茶のお話まで伺いました。お茶のお話はまだまだ続きそうですが一度、先生の今回の調査旅行のお話の続編をお聞きしたいと思います。
Dr.: お茶のお話は、あまりにもスケールが大きいので、いったん調査旅行の話題に戻りましょう。
An.: 先生が今回行かれた、雲南省や昆明市などという地名は、江澤には初耳でした。どういう場所なんでしょうか?
Dr.: 雲南省の位置については、以前この番組で触れましたよね。東西に5000㌔近い広さの中国の真ん中付近に蘭州市というシルクロードの町があって…。
An.: その真南に三国志で有名な成都市があります。
Dr.: 成都市は、三国志の時代には蜀の都として栄えました。諸葛孔明の活躍で有名な地です。
An.: そのさらに南側に、雲南省の中心地である昆明市があるんでしたよね。
Dr.: 現在、成都市を省都とするのが四川省です。現在でも蜀と呼ばれています。ここは一年中晴れの日が少なくて、あまり日光が差さないんです。
An.: ということは、四川省の人たちは日に焼けないので、きっと色が白いんでしょうね。
Dr.: 確かに四川省には美人が多いといわれます。日照時間の少ない秋田県に美人が多いという言い伝えと同じみたいです。
An.: 江澤も四川省に生まれたかったような気がします。
Dr.: 太陽があまり姿を見せない気候のため「蜀犬、日に吠ゆ」、つまり「蜀(四川省)の犬はお日さまを見ると外敵だと思ってほえる」ということわざがあります。
An.: え!? わんちゃんがお日さまに向かって、ほえるんですか?
Dr.: それが真実かどうかは分かりませんが、この言葉は「見聞や見識の狭い人間が、優れた言行、つまり言葉や行いに触れたとき、それが理解できずに疑って怪しみ、攻撃すること」を意味しています。
An.: いかにもありそうなことですね。

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味覚に分類されない料理

Dr.: 四川省はそんな気候でして、湿度も高いので健康のことを考えて辛い食べ物をたくさん食べます。
An.: カレーとか?
Dr.: カレーではありません(笑)。マーボー豆腐とか、しびれるような辛さの食事がここの名物です。
An.: マーボー豆腐! ビールが進みそうですね?。
Dr.: そりゃ江澤さん。ビールの中でも、青島(チンタオ)ビールが少し甘くてマーボー豆腐には一番合うんです。ただし同じ青島ビールでも、ラガータイプは最高なんですが、純生というタイプは水っぽいんです(笑)。
An.: 青島ビールという名前は聞いたことがあります。
Dr.: 山東省の青島地域は、昔ドイツのビール工場がありました。今でもその伝統を受け継いだ、こくのあるビールが生産されているんです。
An.: 中国で、ドイツビールが飲めるんですね。
Dr.: 以前は武漢市にもドイツビールがありましたが、今ではもう生産されていないんです。美味しかったんですけど、名前が悪かった。
An.: どんな名前だったんですか?
Dr.: 中国のドイツビールだから「中独ビール」(笑)
An.: おなかに来そうな名前!
Dr.: まあ、ここで本当に紹介したいのはマーボー豆腐なんですけどね。
An.: マーボー豆腐って、とても辛いんですよね。
Dr.: 日本では辛いというと、唐辛子などの辛味を指します。しかし中国では「マー」と表現される唐辛子の辛さと「ラー」と表現されるしびれる辛さの2種類があるんです。
An.: マーはなんとなく分かりますが、ラーとはどんな感じなんでしょう?
Dr.: うなぎの蒲焼きにかける山椒によく似た、花椒(かしょう)を使用するんですが、まぁ「山椒は小粒でもピリリと辛い」という言葉があるように、しびれる感じの辛さです。
An.: 味覚は「甘い・しょっぱい・酸っぱい・苦い」に分類されると聞いたことがあります。
Dr.: 現在では「うま味」が加わった5原味で味覚が構成されます。
An.: それでは先生、マーボー豆腐の辛味は?
Dr.: 5原味は、口の粘膜の顔面神経、舌咽神経、迷走神経で感じる、文字通りの味のことです。ですので、辛味は正確には味覚ではないんです。
An.: 辛味は味じゃなかったんですか!?
Dr.: 辛味は実は小さな痛み、つまり痛覚。しかも三叉(さんさ)神経の担当で、他の原味とはニュアンスそのものが違うんです。
An.: ちっとも知りませんでした。それならマーボー豆腐は、5原味以外の味覚が十分に楽しめる豊かな料理ということでしょうか。
Dr.: 次回はそのお話です。お楽しみに。
成都市で販売しているマーボー豆腐のエキスと、それを食べて燃える情熱的な紅美さん(医事課)
成都市で販売しているマーボー豆腐のエキスと、それを食べて燃える情熱的な紅美さん(医事課)

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