3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

三好耳鼻咽喉科クリニック開院20周年特別企画~難聴児問題の昔と今12~三好 彰

「難聴児の社会保障(12)」

考察ⅩⅢ

(V)A.O 女 昭和42年6月26日生

 東京のそれと較べると仙台のヒアリングセンターでは、確かに親の会の充実に不足する所がある。器質的な面の障害に対する治療も大切だが、精神的に障害者を支えてくれる組織として「難聴児親の会」の様なものは欠かせないものなのである。しかし「親の会」は障害児の親の積極的な参加が無くては、やって行けるものでは無い。仙台のヒアリングセンターでも、親の方々に「親の会」の重要さをアピールしてその充実を促す様にするべきであろう。

I.

3. (1) 4才、ヒアリングセンター。内耳性聴力損失で治療の見込みは無いから、これからの教育を考える様に。原因は薬の副作用ではないか。
  (2) 4才、東北大学病院耳鼻科。原因は体質であろう。
  (3) 4才、三好耳鼻科。治療は不可能だから教育で補うように。

Ⅲ.

8. (イ)特父:教員 母:無職
   (ロ)子供が難聴であることが確認される以前は、母親も教員として職を持っていたが、難聴が治療不可能で母親がそばについていて教育に当った方が子供の為に幸いだろうということで退職した。その為経済的にはほぼ半分の収入となった。

Ⅳ.

4. (ロ)明朗でやや勝気。友達も多く、遊びも活発。ただ、言葉がおかしいとかつんぼとか友達に云われると、その場では我慢している様だが夜中にあばれる。
   (ハ)原因がマイシン系の薬の副作用ということがほぼはっきりしたので、大けがや大病をしたら大変だと思う。

Ⅴ.

 自分達の子供の場合、(1)2人の子供とも高音性難聴であること。(2)以前は普通に聞こえていたという2点で原因を調べた。ヒアリングセンターではマイシン系の薬の副作用ではないかということを教えてくれたのだが、大学病院や耳鼻科の権威である先生方は、ただ体質のせいだとの一点張りで原因追求の手だても教えてくれなかった。

 一つ一つ過去にかかった医者や病気を考え調べている時、たまたま、同じ近所の小児科医にかかった方でカネンドマイシンという薬の副作用で難聴になった方がいた話を聞いたので、自分達もその医者へ行きカルテを見せてもらった所、2人の子供にKM(カナマイシン)を打ったことがわかった、上の娘は1本打っただけなので、難聴といっても2000Hz以上の聴力が落ちているだけで普段の生活に不便はないが、下の娘は、年も幼い上に量も多く打っているので障害児になってしまった。

 KMは1本でも聾になってしまう程、耳に影響を与える強い薬であるのに、ただの気管支炎に簡単に医者が打っていたことに対して、自分達、薬によって難聴児を作られた親は憤りを感じている。しかも医師会の圧力が強く、医療事故をもみ消す組織があり、仙台では簡単に裁判できないこともわかった。注射を打ってから難聴とわかるまでに1年以上かかったし、原因を追求するのに3年もかかった。カルテ保存期間の5年も今年1月14日で切れたが、その前に法務局の人権擁護委員会に頼んで、問題解決まではカルテを保存しておくようにしてある。

 薬により難聴になった方々皆で手を組んで、もっと現在の医療制度を告発して行きたいと考えているが、同じマイシン系の薬を打っても普段の生活にさしさわりのない程度の影響しか受けなかった方は、面倒なこの問題を告発していくのにほとんど手を貸してくれない。

 幸い自分達の所は、同じ医者にかかり同程度に難聴になった親が集まったので、此処まで原因もはっきりし法務省の力も少しではあるが借りることができたわけだが、個々の力では原因すらはっきりさせることができず、あきらめている方も数多くおられることと思う。公衆衛生の立場からも、一日も早く薬による難聴児を作らない医療体制を、作られてしまった難聴児には十分教育に力を入れることにより一人前の社会人として暮して行ける体制を、作り上げるのに少しでも努力してくれるなら幸いであると思う。

Ⅵ.

(1) 同じ原因で難聴児を持つ親同士。
(2) ヒアリングセンター
(3) 兄弟

Ⅶ.

(1) 子供の将来については、何か子供に合った技術を身につけさせ、社会でそれを十分に生かし、自立して行ける様にさせてやりたい。
(2) 生きていて良かったと思う様な人生を送らしてやる為に、身体も精神も強く育て上げたい。その為にも神の御力を借りなければやって行けないだろうと思う。
(3) 親は子供を育てる為のこやしになれば、それで良いと思う。親を踏み台にして、たくましく自立した人間が育てば満足。

#