3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集


◆いびきで脳梗塞に!?
 

江澤アナウンサー(以下An.
三好先生、江澤はいびきって、迷惑だけどちょっとユーモラスな存在かなって、今まで思ってました。
でも、お話しを伺ってみると、ほったらかしにしちゃいけないんだ。そう、思うようになりました。
今回のいびきのお話し、どんな展開になるんでしょうか?

三好院長(以下Dr.) 
ここまでは、いびきやSASの社会的悪影響について、お話しを進めて来ました。
今回は、いびきやSASのある方の、ご自分の健康についてのお話しをします。

An.:  話は最初に戻りますが、いびきは以前はむしろ健康の印みたいに錯覚されていたんでしたよね?

Dr.:  気持ち良く眠っている証拠みたいに、勘違いされていましたから。

An.:  でもいびきってつまり、空気が鼻やのどを通過するときの摩擦音ですから。

Dr.:  空気を吸うときに、どこかで引っ掛かっている音なんですよね。

An.:  それはつまり、空気が体の中に入って来にくくなっている証拠、とも考えられるんですよね。

Dr.:  空気が、まあこの場合酸素が、と言い換えても良いんですけど。体に必要な酸素が、十分に取り込めなかったら・・・・・・。
そうそう、山陽新幹線の居眠り運転士の血液酸素濃度は、75%しかなかったんですよね。

An.:  酸素を4分の1もカットされちゃったら、たぶん給料カットより体に響くかも・・・・・・。

Dr.:  そうしたら人間の体は、そのカットされた酸素を取り戻そうと、どんなことをするでしょうか?

An.:  酸素が体のすみずみまで行き渡っていないんですから、人間の体はなんとかして体中に酸素を、むりやり押し込もうとする・・・・・・のかしら?

Dr.:  酸素を体内で運んでいるのは血液、それも赤血球です。酸素を強制的に運搬しようとすると、血圧が上がってしまい高血圧になります。

An.:  そう言えば、いびきをかく人って、血圧が高そう。

Dr.:  それだけじゃあなくって、赤血球も増加しますから、血液も濃くなります。

An.:  血液が濃くなるということは、体の中の血管を血液が流れにくくなるってことでしょうか?

Dr.:  ドロドロになった血液が血管の中で、固まり易くなってしまうんです。
おツムの血の巡りバツグンの、江澤さんとは、まったく逆の状態になっちゃうんです(笑)。

An.:  と言うことは、例えば脳梗塞とかが起こりがちになるんでしょうか?

Dr.:  もともといびきやSASの方では、高血圧があって体中の血管が動脈硬化気味です。
その中を流れる血液がドロドロだったとしたら、脳梗塞は当然ですよね。

An.:  いびきって、恐い(笑)。

Dr.:  当院の実例ですが、42歳の男性です。
高血圧がもとからあって、たまたま頭痛がしたのでMRIを撮影したら、脳に梗塞のなごりと副鼻腔炎つまり蓄膿症とが、見つかりました。
かなり肥満気味の方で、鼻の通りが良くなかったため、SASも付随していたらしいんですけど。まず、鼻の治療を開始しました。 ところが間の悪いことってあるもので、鼻の治療開始後1ヶ月も経たないうちに、脳梗塞の発作を再び起こしました。
このため、脳外科での治療と並行して当院でSASの検査を、実施しました。
そうしたら、予想通りかなりひどいSASが確認できまして、さっそくその治療も当院で始めました。

An.:  脳梗塞って・・・・・・、実話だったんですね! 命に、別状は無かったんですか?

Dr.:  幸いこの方は、軽い発作だけで済みましたので、SASに対する呼吸管理療法、これはCPAPという機械を使用するんですけれども、それと肥満そして高血圧の治療をすることで、なんとかなりました。
でも、いびきやSASから実際に脳梗塞を起こしたり、やっぱり命に関わりかねない病態だということは、こうした実例からも良く判りますね。

An.:  三好先生、こういう恐いいびきのあることは良く判ったんですけど、全部が全部ってことはないですよね?
江澤には、恐いいびきと恐くないいびきとがあるように思えるんですけど。その区別法って、何かありませんか?

Dr.:  周りの人への迷惑の有無を別にするなら(笑)、こわいいびきかどうかは、無呼吸を伴うかどうかによって判断します。

An.:  と言いますと?

Dr.:  たんなるいびきだけならば、江澤さんのおっしゃるまさつ音がメインですから、吸い込む酸素量の減少だけで済むんですけど。
呼吸が止まるとなると、すぐさま酸欠状態になるものですから。

An.:  それは、影響が違いますよね!

Dr.:  無呼吸は息の止まってしまう状態で、低呼吸とは弱々しい息をしている状態のことなんですけどね。SASとは、睡眠中1時間あたりこの無呼吸と低呼吸が10回以上確認できる状態と、定義されています。

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An.:  1時間は60分ですから、5分に1回息が止まったり、弱々しかったりしたら、大変なことですよねぇ。

Dr.:  まだまだいびきとSASのお話しは、続くんですけど。
次回以降は、当院の具体的な症例と、いびき・SASの診断法や治療法について、お話ししたいと思います。

An.:  毎晩続くいびきのお話しなんて、まるで千夜一夜物語みたいで・・・・・・。江澤はとっても楽しみです!

◆医学コミックシリーズのお話

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An.:  三好先生、今回はいびきやSASの、診断法について伺えるんですよね?

Dr.:  江澤さん、いびきって、一言で言って何だったでしょうか。

An.:  先生、それは人間が睡眠中に呼吸をする際の、まさつ音のことです。

Dr.:  100点満点ですね、江澤さん。それでは、いったいなぜ、人間の眠っている間にまさつ音が、それも体育館全体に響き渡るようなまさつ音が、発生するんでしょうか。

An.:  えへへ・・・・・・。実は江澤は、三好先生からいびきのマンガ本、「いびきをかく夜は恐ろしい」という医学コミックを頂いておりまして。

Dr.:  えっ! 江澤さんはもう目を通してしまったんですか? ついさっき、お渡ししたばかりなのに。

An.:  三好先生は、医学コミックを10冊も出版しておられまして、ですね。江澤も、ほんの先程、判ったばかりなんですけれども。
第1巻から第10巻まで、「スギ花粉症」「ピアス・トラブル」「滲出性中耳炎」「カラオケ・ポリープ」「さつきさんの憂欝」「難聴・早期発見伝」「愛しのダニ・ボーイ」「味気ない世界の中心で」「笑顔で愛にこたえたい!」そして「いびきをかく夜は恐ろしい」ですものね。
そしてこの「いびきをかく夜は恐ろしい」に、先生のご質問に対する回答が、書いてあったんですぅ(笑)。

Dr.:  さすが江澤さんは、1を聞いて10を知るという、才能全開ですね!

An.:  話は少しずれるかも知れませんが、せっかくの機会ですから先生、ここで三好先生の医学コミックについて、ちょっぴりご説明頂けませんか?

Dr.:  それはね、ホラ江澤さん。ぼくらのこのシリーズでも、そうなんですけどね。
病気や医学のお話しって、なんだか難しそうじゃないですか?

An.:  うーん、何て言うんでしょう。言葉が、馴染みのない用語は、たしかにあるかも知れませんねぇ。

Dr.:  ボクら日本語で、普通の会話をするときに、「鼻が詰まる」って喋るじゃないですか。

An.:  ええ。

Dr.:  ところが医学用語じゃ、この「鼻詰まり」のことを、わざわざ「鼻閉」って表現するんです。

An.:  えっ、「鼻詰まり」が「鼻閉」ですか!
それじゃまるで、暗号を使ってお話ししているような気分ですね(笑)。

Dr.:  なんでもそうですけれど、専門用語じゃないと困る部分は、あると思います。

An.:  患者さんご本人の前で、命に関わる病気の話をせねばならない場合もありますし。

Dr.:  ですがその習慣が、患者さんご本人に対しての説明の際にも、うっかり顔をだしたりして。

An.:  ああ、それで、「鼻詰まり」が「鼻閉」になる・・・・・・。

Dr.:  医者本人は、決して暗号を駆使して患者さんへのご説明をやってるわけじゃないんですけどね(笑)。

An.:  患者さんとしては、結果的にモールス信号かなんかで、病気の説明をされたような雰囲気になってしまう。そういうことですね。

Dr.:  だから私としては、医学の説明にも、普段通りのフツーの日本語を使うクセを、努力してつけるとか。

An.:  努力するんですね(笑)?

Dr.:  医学書にしても、ご家庭向けのそれは、医学用語を振り回さない、とか。

An.:  それは大事かも・・・・・・。

Dr.:  私の書いた、家庭向け医学書のことを、私自身、「ひらがな語で書いた医学書」って言ってるんですけどね。

An.:  「ひらがな語」ですか?
つまり堅苦しくない、判り易い、ごく普通の日本語で書いた、そんな医学書ってことですよね?

Dr.:  そんな本を、今から20年近く前に、出版したんです。
そしたら・・・・・。

An.:  そしたら?

Dr.:  「ひらがな語」より易しい医学書は、有り得ないものだろうかって。仲間と話をしているうちに、マンガの医学書はどうだろうか、となって。

An.:  ああ、それでマンガ医学シリーズが始まったんですね?

Dr.:  ええ、スギ花粉症マンガの「花子さんの場合」が、1995年に。そしてピアス・トラブルを扱った、「ピアス・トラブル殺人事件」というコミックが、1996年に。
という具合に、1年に1冊ずつ出版して来まして。

An.:  1年に1冊ずつ、出版したんですねぇ。

Dr.:  シリーズ本を10冊揃えて出版すると、「組本」って言うんですけど、ハード・カバーに入れて、一つの集大成として世に問うんです。

An.:  先生は、その組本をホントに実現したんですね?

Dr.:  途中、「ひらがな語」の家庭医学書を2冊挟んだので、医学コミック全10冊の完成は2007年。つまり12年かけて、組本は仕上がりました。

An.:  12年でしたら、干支が一巡り、ですよねぇ。

Dr.:  ええ、お陰さまで、こちらもすっかり若返りしてしまいました(笑)。

An.:  先生、せっかくの先生のご労作、江澤だけじゃあなくって、リスナーの皆様にもご紹介したいんですけど。ダメでしょうか?

Dr.:  そんなぁ。江澤さんにおねだりされると、私も弱くって・・・・・・。断りようがないじゃないですか。

An.:  それでは江澤より、リスナーの皆さんにご報告です。
三好先生の出版された医学コミックから、今回は今話題の「いびきをかく夜は恐ろしい」を、10名の方にプレゼントいたします。

Dr.:  この放送でお話しした内容が、より身近に親しみ易く理解できますから、ぜひ応募してください。

An.:  三好先生、お話しが少々渋滞気味でしたけれど・・・・・・。

Dr.:  次回のお話しは、もっと快調ですから。

An.:  それじゃ、なんの心配もいりませんよね! 本日は、リスナー・プレゼントまでご提供いただいて、本当に有難うございました。

Dr.:  有難うございました。

fmいずみで、院長の本のプレゼント企画がなされました

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 本のタイトルは「いびきをかく夜は恐ろしい…」。自分のいびきが気になる、いびきが大きいと周りの人にいわれるなど“いびき”でお悩みの方に役立つ、いびきのメカニズム、症状や治療法についてマンガでわかりやすく解説された一冊です。
 本の監修・解説は「ラジオ3443通信」でおなじみの三好耳鼻咽喉科クリニック 院長 三好彰先生です。

 マンガ本「いびきをかく夜は恐ろしい…」を抽選で10名の方にプレゼントいたします。
 ご希望の方はメールにお名前・ご住所・電話番号・年齢を記入し、fmいずみ「いびきの本」プレゼント係までお送り下さい。
(fmいずみブログより)

※なお、この企画は終了いたしました。


◆いびき発生のメカニズム

An.:  三好先生、前回はいびきの発生するメカニズムについて、お話しを伺うはずだったんですよね?

Dr.:  (笑)途中から、医学コミックシリーズのお話しになってしまって。
本日はいびきの、まさつ音の発生する理由をご説明します。
江澤さん、まさつ音って、鼻から吸い込む空気が、なんの抵抗もなく体の中へ入って行くようだったら、起きるものでしょうか?

An.:  やっぱり体の中のどこかで、吸い込まれた空気が、引っ掛かっているから、まさつ音がするんじゃあないでしょうか。

Dr.:  空気の通り道を「気道」つまり空気の道、と表現するんですけれど、鼻から空気が体の中へ入って、のどを通ります。
のどのことを、医学用語で咽喉頭と呼ぶんですけど、それは咽頭と喉頭に分かれます。 喉頭って言うのは声帯の入っている部分で、軟骨のケースに納まっているので、ここでは空気の引っ掛かりは発生しません。

An.:  声帯って、声を出す装置のことですよね?

Dr.:  江澤さんたちのような、マイクを駆使する人たちが、良く使う部分です。

An.:  声帯は、のどぼとけの内側にあるんですよね。

Dr.:  ええ、いわゆるのどぼとけが、声帯の納まっている軟骨のケースになるわけです。

An.:  喉頭ではまさつ音が生じないとすると、鼻から吸い込んだ空気は、鼻から咽頭にかけて引っ掛かることがあり、いびきが生じるんですね。

Dr.:  鼻に、前回お話しした難しい医学用語の「鼻閉」があると・・・・・・。

An.:  三好先生、鼻閉って鼻詰まりのことでしたっけ(笑)?

Dr.:  さすが江澤さん、私が医学コミックで言いたかったことをすべて、理解してくれてますね!
その鼻閉がありますと、それだけでいびきの原因の一つになっちゃうんです。

An.:  そういえば、「鼻(はな)いびき」って言葉もありますものね。
先生、これはやはり、鼻に何か病気があって、その結果、鼻閉そして鼻いびきになるんでしょうか?

Dr.:  鼻に、副鼻腔炎や花粉症などのアレルギー性鼻炎があったら、鼻詰まりがひどくって、たしかにいびきになりますけどね。でも、病気でなくとも、鼻の真ん中の骨が曲がっている鼻中隔彎曲症の場合とか・・・・・・。

An.:  鼻のホネが曲がってるんですか!?

Dr.:  まぁ、人間左右差はある程度見られるもので、日本人の8割は鼻の真ん中の骨が曲がっている、とも言われますが。
それがあまりに極端だったり、それ以外に鼻炎が併存したりすると、結構つらい思いをします。

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An.:  江澤は、鼻が曲がっているのはシャケだけかと思ってました(笑)。

Dr.:  それにいわゆる「だんごっ鼻」、つまり鼻の入り口が真丸で狭い場合。

An.:  (笑)目に浮かぶようっ!

Dr.:  そういう鼻では、病気じゃないけど、いびきをかきます。

An.:  鼻詰まりがあると、寝るときに自然に口を開いて、口呼吸をしますよね。そしたら、「鼻いびき」だけじゃなくって、本格的ないびきになっちゃうような気もするんですけど。

Dr.:  口を開けて寝ると、SASのような病的なそれはともかく、のどの柔らかい部分が空気の出し入れと一緒に振動してまさつ音が発生します。
口を開けたままで寝ると、たしかにいびきのもとです。

An.:  のどの柔らかい部分って言うと、具体的には、先生どんな場所なんですか?

Dr.:  口を開けると、真ん中にブラ下がっている、いわゆる「のどちんこ」。これは、医学名を「口蓋垂」って言うんですけど、この部分とか。

An.:  扁桃腺なんかも、それに相当するんでしょうか?

Dr.:  扁桃ってのは、口からのどにかけて、人間の体の中に取り込まれる、空気や食物に対する免疫監視リンパ組織のことで、のどの両脇にある大きいそれを、口蓋扁桃と呼ぶんですけど。これもいびきの、発生部位ですよね。

An.:  他にはどんなところが?

Dr.:  舌根部、つまり舌の付け根のところも、夜眠っちゃうと、重力のために後へ落ち込むので、まさつを起こし易い部位ですね。

An.:  そういう柔らかい部分が、呼吸の度に空気の出し入れの妨げになって、まさつ音になるんでするね?
病気しゃなくっとも、そういう部分はまさつ音つまりいびきの元、みたいな気もしますが?

Dr.:  病気じゃなくっとも、いびきをかくことは、それはあります。
例えば、体がひどく疲れてしまって、いびきをかくことは良くあります。
普段から睡眠中は、筋肉の緊張が弛んで、先にご説明した口蓋垂や口蓋扁桃そして舌根部が垂れ下り、空気の抵抗がいびきを引き起こし易いんです。
疲労時には、その筋肉の弛緩が一層ひどくなり、気道つまり空気の通り道を狭くしてしまいます。
このため、すごい大いびきとなりがちなんです。
お酒を呑み過ぎたときや睡眠薬服用時のいびきも、同じ理屈です。
それから、歳をとるといびきがひどくなることも、あります。のどの筋肉の老化による弛緩が、いびきの元になるからです。

An.:  そう言えば先生、肥満はいびきの最大原因と聞きましたが、やはり同じような理由があるんでしょうか?

Dr.:  肥満は、バカにできません。
次回はそのお話しです。お楽しみに!!


関連リンク: 用語集 いびき
  用語集 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  デジタルコミック いびきをかく夜は恐ろしい
  用語集 ラジオ3443通信
  用語集 げんき倶楽部杜人

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No.198
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