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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

 
◆脳に関わる聞こえ◆

今回は、難聴が脳に及ぼす影響についてお話ししたいと思います。

 難聴があると、うまく聞き取れない、音に対する気づきが遅くなる、あるいは聞き取れないことで『注意障害』が生じます。

 声の小さい人との仕事の会話の時にはとても緊張が強いられます。緊張は、いつまでも維持できるものではありませんから、どうしてもどこかのタイミングで会話に参加する意欲が低下します。追い打ちをかけるように「○ ○ さん、コレをやってって言ったじゃない!」と注意されたりした時には、嫌になってしまいます。

 仕事に対する張り合いだけではありません。生活の中での学びも障害されます。聞き取りが悪いままに放置されると廃用症候群や認知症にまで発展してしまうと警鐘する医師もいるくらいです。

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 図をみていただくと、難聴と認知機能の関係がより理解できるのではないでしょうか。

 退職などにより社会との接点が少なくなる″。人と人との関わりがなくなると意欲が落ちてくる。家庭内での孤立や一人暮らしもよいことではないのです。直接、顔と顔を突き合わせる生のコミュニケーションはとても大切です。

 最後に、英語でuse it or lose itという言葉を紹介したいと思います。訳すと「使いますか? それとも使わずに失いますか?」と言う意味です。

 人間は仕事や努力や意欲や興味など、たくさん使えば今以上に何歳になっても成長する一方で、使わなければ今以上に退化し悪くなってしまいます。

 難聴も同じで、音の入力の不足を補う工夫がないと、脳に充分な刺激が行きわたらず、よい意味での生活の中での学習が阻害されてしまいます。

 難聴はたいしたことないからと放置したことが原因で、やる気の低下や新しい仕事をなかなか覚えられないなどの問題がおきていることもあります。

 補聴器は、注意障害や学習障害の解決策として有効なこともすくなくありません。不安があるときは、ぜひ、相談しにきてください。


関連リンク: 用語集 中川雅文先生
  用語集 難聴

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No.197
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