3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集


Q:耳に水、音が聞こえない

私の友人のことで相談があります。

1週間くらい前から耳に水が入っていて、時々音が聞こえにくいそうです。その水は外から入ったのか、耳の中のものかは判らないんですけれども、耳に水の溜まる病気などはあるのでしょうか? 

(19歳・女性)

 

A:耳管の通気処置を

1週間という期間から考えて、外から入った水ならばもう乾いてしまっても良い頃ですよね。おそらくその水は、耳の中に溜まったものと想像できます。

この、耳の中に水の溜まる病気は滲出性中耳炎と言い、炎症性の液体が鼓膜の内側に貯留している状態です。そもそも中耳炎は、大きく分けて3種類あります。それは、風邪をひいた子どもが突然激しい耳の痛みを訴える急性中耳炎、鼓膜内側に炎症の水の溜まる滲出性中耳炎、子どもの頃に中耳炎を繰り返し鼓膜に穴の開いたままのところへ、風邪などで感染を生じて膿の出て来る慢性中耳炎、のことなのです。

滲出性中耳炎では、のどと中耳(耳の中のことです)を結んでいて、鼓膜内外の気圧調節を司っている耳管という管が、風邪の炎症などで腫れて詰まるときに起こります。中耳腔の空気の入れ替え(換気)がうまく行かなくなり、腔内の空気が淀んで炎症に繋がる訳です。この現象を「川の流れも淀めば濁る」などと説明していますが。

こうして中耳腔に水が溜まってしまうと、まるで新幹線に乗ってトンネルへ入った瞬間のように、耳が塞がったような、詰まったような、一枚被さった上から音を聞いているような、そんな気分になります。

滲出性中耳炎の原因は、耳管の換気機能であることから、滲出性中耳炎の治療も耳管の換気改善が基本となります。

耳鼻咽喉科ではそのために、耳管に強制的に空気を送り込んで中耳腔内の換気を計る、耳管通気と称する処置を行ないます。

大人ではこの目的で、カテーテルを鼻を通じてのどの耳管開口部にあてがい、圧をかけて空気を送ります。子どもではこの処置は痛みがあって嫌がられますので、もう少しソフトな処置を行ないます。

中耳腔の換気改善の目的で、鼓膜に小さな穴を開けてチューブを挿入してやることもあります。

これに炎症を抑える薬剤を併用して治療するのが、一般的な対応策となります。

詳しいことがお知りになりたければ、滲出性中耳炎に関して私のコミックが出版されていますし、それはホームページでも閲覧が可能です。

○三好 彰 監修・解説:まんが みみ、はな、のどシリーズ 中耳炎世界の冒険,いちい書房,東京,1998

 

関連リンク: 院長著作コミック「中耳炎世界の冒険」
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