3443通信 オンライン  
みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集


Q:水の抜けない中耳炎で全身麻酔?

3歳になる男の子の母です。昨年の9月、その息子が突然「耳が痛い」と言い出し、救急車で大学病院に連れて行きました。

結果は中耳炎。以来この4ケ月間、鼻を通すオレンジ色の飲み薬と、3週間に一度、4日分の抗生物質を服んで来ました。しかしなかなか耳の中の水が抜けず、このままクスリを続けるのが不安になっています。

先生に相談したところ、1鼓膜を破り水を吸い出す方法、2全身麻酔をかけ、鼓膜にパイプを通す方法の二つがあると言われました。でも、麻酔と聞いただけで恐くなって・・・ 。他に良い方法は無いのでしょうか。

 

A:3歳児の滲出性中耳炎、根気強く治療を

ご相談は急性中耳炎と滲出性中耳炎という、2種類の中耳炎についての内容となっていますので、2回に分けてご説明します。

子どもが、風邪の最中もしくはその治りかけの直に突然耳の痛みを訴えたら、それは急性中耳炎を考えます。

急性中耳炎ではのどのばい菌が、耳管というのどと耳の内側をつないでいる管を通じて中耳腔(鼓膜の奥にあるスペース)に入り、そこで化膿します。化膿の程度がひどいと中耳腔は膿で一杯になり、鼓膜を内側から外に向かって強く圧迫します。それが、泣くほど痛い子どもの耳痛の原因です。

この急性中耳炎の痛みに対しては、中耳腔に溜まった膿の圧力を逃してやる目的から、鼓膜に小さな穴を開けてやる鼓膜切開術が良く行なわれます。

それと並行して抗生物質や消炎沈痛剤を服用すると、耳の痛みは速やかに治まります。 大人と比べ子どもは急性中耳炎になり易いのですが、それは耳管の構造が子どもでは大人に較べて、太く、短く、水平に位置していて、のどの感染がすぐに中耳腔へ波及し勝ちとの、解剖学的理由に因っています。

急性中耳炎そのものは、こうした処置や投薬によって比較的短期間に治まりますが、困ったことにそれに引き続き滲出性中耳炎の状態となることがあって、手を焼きます。

ご質問の内容はむしろ滲出性中耳炎が中心ですので、次回それについてご説明します。

A:

前回は急性中耳炎についてお話ししましたが、今回は滲出性中耳炎に関してご説明します。

急性中耳炎の後などに、鼓膜の内側の中耳腔に水みたいな炎症性の液体の溜まってしまうことがあり、滲出性中耳炎と呼ばれます。そうすると、ちょうど新幹線に乗ってトンネルに入った瞬間のような、耳の塞がったような、一枚被った上から音を聞いているような感じとなり、不愉快です。

聞こえも悪くなりますから、放置すると子どもでは学校の成績が下がる、そんなことも起きて来ます。

滲出性中耳炎で鼓膜の内側に貯留した液体は、耳管が開いて中耳腔の換気がなされれば排泄されて無くなります。けれどものどや鼻に炎症があって耳管が腫れていたりすると、換気機能はうまく働きません。鼻処置や鼻の飲み薬を使用するのは、こうした理由からです。

お話では掛り付けの先生は、3歳というお子さんの年令から必ずしも十分な処置ができかねることを懸念して、貯留液の排泄もしくは換気チューブ(パイプ)の鼓膜挿入を、勧められたものと想像できます。

お子さんも治療に慣れて、泣かずにいろいろな処置に協力してくれるようになると、直ちに切開などをせずとも滲出性中耳炎は軽快して来ます。暖かくなると炎症をこじらせにくくなりますし、少し根気よく治療を受けて見てはいかがでしょうか?

関連リンク: 院長著作コミック「中耳炎世界の冒険」
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