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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

 

声がすれ

カラオケの全世界的な普及に伴い、その歌い過ぎでしょうか、最近声のかすれに悩まされる人を、よく見かけるようになりました。カラオケによる声がすれは、大体、原因の想像がつきます。無理な発声、歌い過ぎ、カラオケバーのたばこの煙、アルコールの影響です。

ことにアルコールが入ると、声帯は充血し多少はれます。少し余分に、負担が声帯にかかるのです。気分的に抑制が効きにくくなっていますので、そんなときに限り大声を出して歌う、そんなこともあります。おまけに、忘年会や新年会ですと風邪気味を押しての参加、という事情も考えられます。これでは無理もない、と思います。

カラオケはほどほどに、気分よく楽しんでください。

風邪で急性炎症が生じ声帯がはれていると、声帯の振動は正常と異なります。声帯に痰(たん)のからんでいることもあります。当然、声はかすれます。そういうときにはマスクをかけて、のどを冷やさないように気をつけてください。

あまり声を無理に使っていると、声帯にポリープのできることがあります。大きいポリープは切除すべきですが、小さなそれなら声の安静でよくなります。

職業的に声を使う人、声楽を習っている人や保母さん、そして学校の先生などで、声帯にごく小さなポリープの見られることがあって、謡人結節と呼ばれます。声帯の安静でかなり改善しますが、仕事の都合上それが難しい人もいます。場合によっては、手術的に取ってしまうのも一つの方法です。けれど声帯の使い方が以前と同様では、また結節ができます。発声訓練の必要が、力説されるゆえんです。

子供では、幼稚園や学校などで大きな声ではしゃぐためか、時々声がかすれます。そのほとんどは"学童嗄(さ)声"と称される良性のもので、声の安静を保てば治ります。もっとも子供を静かにさせるのは、とても困難です。

ヘビースモーカーで嗄声が出現したら、それは喉頭(こうとう)がんの恐れがあります。肺がん同様、喉頭がんではたばことの関連が強く指摘されています。思いあたる方は、どうぞご注意ください。

声帯のまひが嗄声の原因になることもあり、反回神経まひと呼ばれます。声帯の動きをつかさどるこの神経は、胸郭の奥を走っています。このため、肺がんや食道がんなど胸郭の疾患で、反回神経まひ、そして嗄声に至ることもあるのです。嗄声に伴い嚥(えん)下障害などの症状があったら、要注意です。

成人病年齢の方の嗄声は、できるだけ早く耳鼻科医に診せてください。

 
(三好 彰:三好耳鼻咽喉科クリニック院長)
 
山陽新聞 1994年(平成6年)7月3日
 
のどに関することについては、コミック『カラオケポリープは踊る』でもご紹介しています。
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