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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

めまい(10)


ぐるぐる回る回転性のめまいにおいて、難聴・耳鳴などの蝸牛(カタツムリ管)症状そして小脳の伴わない場合には、前庭(平衡斑もしくは耳石器)・半規管のみの病気を考えます。

風邪をひいた後などに急激な回転性のめまいが発生したら、それは前庭神経炎と疑います。

これは、前庭・半規管の神経にウィルス感染の生じたために起きるものと考えられており、激しいめまいと吐き気が生じます。しかしめまい自体が激しく、すごく心配になることが多いにもかかわらず、予後(病気のその後)は良いものです。つまり激しいめまい発作が数日間持続した後、ふらふらする動揺感が1ヶ月くらい持続しますが、耳鼻咽喉科での治療でやがて発作は消失してしまいます。

ただ発作はやはりひどいものですので、決して侮らず耳鼻咽喉科で精密検査を受けておくことをお勧めします。

朝起きようとして首を捻ったとき、数秒たってからぐるぐる回る激しいめまいが生じたら、それは良性発作性頭位眩暈症(BPPV)が疑われます。

このBPPVは耳石器(平衡斑)の、耳石と呼ばれるめまいを感知する部品が三半規管に迷いこんでしまったため、姿勢を急激に変えるときにめまいの起こるものです。これも命に関わることはなく、その意味では安心なのですが、発作時の不安感はとてもたまりません。なにしろホントに世界が回ってみえるのですから、それも当然です。

やはり一度は耳鼻咽喉科で精密検査をしてもらい、その対処法を教わっておくのがベストです。

それからこうした内耳性のめまいに混じって、時に小脳性の回転性めまいが存在することがあり、要注意です。

私のもとを受診した、30代後半の女性も、そんな1例でした。この方は1ヶ月前からめまいと頭痛そして突然の嘔吐が継続しており、当院を受診されたのです。

神経耳科学的検査では、聴力正常でしたが左方へ向かう水平性の眼振が認められました。しかし頭痛や突然の嘔吐は、内耳性のめまいにしては変です。

私はその場で脳外科に紹介し、結果的に小脳の血管芽腫と呼ばれる脳腫瘍が発見されました。脳腫瘍の症状に気付かなかったら、命に関わったところです。

めまいをいたずらに恐れる必要はないのですが、精密検査は重要です。信頼できる耳鼻科医で正確な診断を受けられることの重要性を、もう一度強調しておきます。
 
河北新報 マイタウンかほく泉6月号(平成10年5月27日)
めまいについては、コミック『さつきさんの憂鬱』でもご紹介しています。
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