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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

めまい(5)


前回めまいは、両側内耳のうち片方の異常放電もしくは機能低下が存在して、体が片方に寄って行ってしまうこと(偏倚)が原因の一つである、とご説明しました。ですからメニエール病等内耳疾患の発作のときなど、めまいが生じて体が一方に傾き、倒れそうになります。

これについては以前もお話しましたが、内耳病変によるめまい発作は車の両輪の回転数異常に例えることができます。

つまり、片側内耳が異常放電状態にあるのは片側の車輪のオーバーランで、車(この場合は人体)は反対側へ偏って行きます。

また片側内耳の機能低下は、その側の車輪の回転数減少に相当しますから、車もしくは人体は機能低下した内耳と同じ方向に傾きます。

そのまま偏倚が続けば車や人体は傾いて、ついには引っ繰り返ってしまうことになります。

けれども実際に体の倒れてしまうことはまず無く、人体は転倒直前に踏み止まることができます。

それを立ち直り反射と称するのですけれど、この反射はやはり車の車輪の回転数異常と、それに対応する運転手の行動に例えることができます。

つまり、車輪の回転数異常が発生して車全体が片方へ曲がってしまいそうになった場合、運転手は車を真っすぐにしようと無意識にハンドルを逆方向へ切ります。

それと同じことが人体でも起こります。

人体が内耳病変のために一方向に倒れそうになったとき、体は無意識にハンドルを逆に切ります。その結果、人体は倒れてしまうこと無く、踏み止まることになります。

ですから、例えば右側内耳の異常放電があって体が左へ傾いた際には、右への立ち直り反射が働いて人体は転倒することがありません。

ただしこのとき、体が左へ傾くと外の視界は右へ向って移動しますので、右向きのめまいとなります。

逆に右側内耳の機能低下の場合は、人体は右へ向って傾くと同時に左向きのめまいが発生しています。

この原理がめまいと体の傾き、そしてその傾きにも関わらず転倒してしまわない仕組みの根本となっています。

めまいは「目舞い」という字を充てるとこもありますが、眼球の異常な動きとなって表われることもあります。そしてその背景には、この原理が潜んでいます。
 
河北新報 マイタウンかほく泉1月号(平成9年12月31日)
めまいについては、コミック『さつきさんの憂鬱』でもご紹介しています。
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症状用語索引 めまい
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