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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

めまい(3)


めまいは、両側の内耳に前庭器と呼ばれる体位置とその移動を感じるセンサーで感知します。

前庭器というのは、体位置を感じ取る平衡斑(耳石器)と3つの半規管(三半規管)からなっています。平衡斑は縦向きと横向きの2方向の2つのそれが、左右ペアになって存在します。この平衡斑の感覚細胞の上には石が乗っかっていて、体の方向に応じて感覚細胞に重力刺激を与えます。耳石器(平衡斑)の感覚細胞は、耳石の重力刺激の方向を感じて、人体の向きを判定できるのです。三半規管も左右ペアで存在しますが、3つある半規管はそれぞれが、X軸・Y軸・Z軸に対応するようになっていて、体の動きの全ての方向性に反応できます。

前庭器が左右ペアで存在するのは、内耳において聴覚に携わる蝸牛管が左右ペアであるのと、同じ理由です。つまり蝸牛管がもしも片一方にしか存在しなかったとしたら、ステレオ感覚が皆無ですから、音の方向感覚が無くなります。そうすると、単一の音源の場合即ち一人の人間の話を聴くにはそれで十分かも知れません。けれども複数の人間が別々の方向から話しかけてきた場合、それぞれの話を聞き分けることができなくなってしまいます。現実の蝸牛管は左右両側にありますから、ステレオ感覚が働きます。つまり空間の位置が異なる音源を、ある程度認識し分けることができるのです。

実際に試みると良く判るのですが、会議などをモノラル録音すると複数の発現は一つのスピーカーからごっちゃになって聞こえ、何を言っているのか聞き取りにくくなります。それに対してステレオ録音しておけば、完全ではないまでも音源の位置の異なることが聞き取れ、その内容もある程度判別できます。蝸牛管が一つしか無いのはつまりモノラル録音と同じで、現実には不自由です。ですから人体には、左右2つのペアとして付いていることになります。

前庭器も同様の理由から、一側にあるだけでは十分に機能を発揮することができません。両側ペアで存在することに、重要な意味があるのです。めまいの発症にもそれは関係します。
 
河北新報 マイタウンかほく泉11月号(平成9年10月29日)
めまいについては、コミック『さつきさんの憂鬱』でもご紹介しています。
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