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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

アレルギーってなんだろう?


本来ならば人体を守るべき免疫機能が、逆に人体に害を与える。それがアレルギーです。これには何か意味があるのでしょうか?

人間は自己の生存と種族の保存のために、多大な労力を費やします。長い間、この目的の最大の敵は感染症でした。殊に食物が豊富でなく人類が飢えに直面していた時代には、人体内の防御力つまり免疫機構も力を発揮できず、人間は感染症で死にました。それに対し、近年の日本で乳幼児死亡率の激減したのは、衛生状況の改善により感染源となる病原菌が減少し、栄養の改善によって人体の免疫能力が高まったため、と推測されます。つまり人間の体は、防衛能力が強くなったのです。皮肉なことに免疫能力は力を増しながらも病原菌の減少によって敵を見失い、力を持て余しています。そこへ、ダニやスギ花粉など無害な異物の人体への侵入が生じた場合、これらの異物は悪影響を人体に与える訳ではないのですが、それに対応する人体は少し過剰なまでの防御能力を備えてしまいました。

例えば、われわれ人間が物理的危害を加えられそうになったとき、手に何も持っていなかったなら、襲ってきた相手をかなり強く突き放しても、加害者に損傷を与える心配はありません。しかしもしもわれわれが、たまたま武器を手にしていたとしたら、加害者を無傷のまま押し戻すつもりで、実際には加害者を傷つけてしまいます。これを人間では過剰防御と称し、逮捕されてしまい兼ねない事態です。つまり正当な自己防衛努力も、過剰であれば自分自身に結果的に害を与えてしまうのです。

同様に人体の免疫反応も、さほど強くない時点では異物に対して過剰に反応することもなく、人体そのものに害を与えることもありません。しかし免疫能力が力を持て余しているならば、人体は異物に対して過敏に反応し自身にも害を与えることになるでしょう。

アレルギーとは、高まった免疫能力が自分の身を守ろうとする異物に過剰反応する状態で、保護されるべき自身に害を与えている訳です。
 
河北新報 週間るぽ 北部版 第67号 4月29日
花粉症・アレルギーについては、『スギ花粉症』コミック『愛しのダニ・ボーイ』でもご紹介しています。
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