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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

 

嗅覚障害

嗅覚(きゅうかく)障害の原因は、ほとんどが鼻粘膜の異常です。具体的には鼻アレルギーや副鼻腔(くう)炎、風邪による急性鼻炎で鼻粘膜にはれが生じ、嗅素が嗅粘膜に届かなくなります。すると当然、においは感じられなくなるのです。この場合、放置すると嗅神経がダメージを受け、回復しにくくなるので早めの対応が必要です。
嗅覚障害の診断には@臭素の含まれた薬剤を鼻入口部に提示し、においを判定する方法。Aアリナミン注射液を静脈注射して、ニンニク臭を感じるかどうかを答えさせる方法、とかが使われます。@の方法はオルファクトメーターと呼ばれます。

この方法は、甘いにおいや焦げたにおいなどを使用し、においのすることが分かるかどうか(検知)、何のにおいかその性質が分かるか否か(認知)を回答させます。そして、それぞれ、どれくらいの濃度の薬液でわかるのか、域値を測定するのです。一方Aは、静脈性嗅覚機能検査と呼ばれます。

この@のオルファクトメーターで、実はちょっと困ることがあります。提示したにおいが被験者になじみのないものであった場合、正確な認知域値を回答しにくい、という点です。実際われわれは、医学生20人(男子)を被験者として認知域値を彼らがどう判定するか、確認したことがあります。

すると、例えばバラなどに日常生活ではほとんど接することのない被験者が、バラのにおいの検査液を「パンのにおいです」と返答したりしました。においを認知できないわけではないのですが、それをどう表現してよいか分からなかった、そういうことのようです。でもそれは、よく理解できます。現実にキンモクセイの花の香りを、トイレの消臭剤のにおいと信じ込んでいる現代っ子もいますし。

嗅覚障害は、先ほど述べましたように嗅粘膜の異常が主な原因です。従って内視鏡を使用して、鼻粘膜、ことに嗅粘膜の状態を確認することが必要です。

そうやって直接粘膜の状態を見ると、炎症や鼻汁の存在など嗅粘膜のコンディションのよくないことが一目で分かります。この検査法は治療途中の経過確認にも、とても有効なものです。

さて嗅覚障害の治療は、嗅粘膜のコンディション調整が目標です。そのために、鼻粘膜収縮剤とステロイド剤の局所塗布が使われます。ベッドの端にあお向けとなって、懸垂頭位をとり、薬剤を鼻内の目と目の間に位置する嗅粘膜めがけて垂らしてやります。本法は効果が高く、ハナぐすりを効かす(?)はこのことだった、と実感できる?とか。

(三好 彰:三好耳鼻咽喉科クリニック院長)


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