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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

 

副鼻腔炎

二本棒を鼻から垂らす子供が少なくなった、昼寝のときのハナちょうちんにお目にかからなくなった、それは事実です。こうした現実が示すように、かつて極めて身近な存在だった蓄膿(のう)症=慢性副鼻腔(くう)炎=は、激減しています。

抗生物質など、効果的な薬剤の登場もその原因の一つと考えられます。でも、食事内容や生活様式の改善が感染症全般を減少させた、そんな影響も無視できません。

とはいえ、現在でも副鼻腔炎は皆無ではありません。少しスペースを割いて触れておきましょう。

@副鼻腔とは

人間には、鼻の穴(固有鼻腔と言います)の両わきから両目の下にかけて、周囲を骨で囲まれたからっぽの腔があります。この腔は副鼻腔と呼ばれ、遠い昔生物が水せい動物だったころ、脳の入った重たい頭を水面上に浮かばせるための、浮力を得る目的で存在したと考えられています。現在ではこの腔は、水泳時以外にはあまり意味をもたないわけですが、鼻腔内への感染が生じたときなど、腔内にうみがたまることがあります。これを蓄膿症と称します。

A慢性副鼻腔炎

固有鼻腔の炎症が長引き、鼻腔粘膜のひどいはれが続くと、副鼻腔にうみがたまります。それに感染が加わってさらに炎症が強くなると、固有鼻腔の炎症を増強させます。

鼻が詰まる、青い鼻汁が止まらない、頭が重いなどの症状が出現します。それが、慢性副鼻腔炎なのです。ときに鼻茸(たけ)が見られ、そのために一層鼻詰まりがひどくなったりすることもあります。

あまりこの症状がつらいと、先に述べた鼻性注意集中不能症の状態みたいになることも、ときにあります。副鼻腔炎全体の減少により、現在ではここまでこじらせてしまうことはまれですが。

B急性副鼻腔炎

風邪の後などに、急に鼻が詰まり青っぱなの出てくることがあります。これは風邪で固有鼻腔粘膜がはれて、副鼻腔にうみが貯留してしまったものです。

Cアレルギー性副鼻腔炎

鼻アレルギーに際しても、固有鼻腔粘膜のはれのために副鼻腔にうみのたまることがあります。もちろん副鼻腔粘膜自体に、アレルギー性の粘膜のはれが生じている可能性もあって、それがうみの貯留を一層ひどくしているものと想像されます。

D副鼻腔炎の治療

昔のようなかなりひどい副鼻腔炎に対しては、現在でも手術が考慮されます。ただ、その適応となると症例数が昔ほど多くないのは事実です。大抵は、局所処置と消炎酵素剤や抗生物質の内服で、経過を追うことになります。ただ、鼻茸があって鼻詰まりが極度に強いときには、鼻茸のみを切除する簡単な手術が、よく行なわれるようです。

なお、副鼻腔炎の内服治療開始後、一時的に鼻汁の量が増え、はた目にはかえって悪化したように見えることもあります。

けれどこの現象は、副鼻腔に貯留したうみが、薬剤の効果で排せつされてくる、そのためと思われます。あまり気をもまずに、治療を継続してください。

アレルギー性副鼻腔炎では、前述した鼻アレルギーの治療が基本となります。

(三好 彰:三好耳鼻咽喉科クリニック院長)


関連リンク: みみ、はな、のどの変なとき (副鼻腔炎(蓄膿症)ページ)
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