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みみ、はな、のどに関する病名、症状などの用語集

いびき3 <睡眠時無呼吸症候群とは?>

 いびきがホントに怖いのは、今回ご説明する睡眠時無呼吸症候群(SAS)の表れで あることがあるからです。そしてこのSASこそ、近年注目されている乳幼児突然死症候群の一因とも推測され、 小児の成長障害を来す恐れのある疾患として、疎かにできない病気なのです。

 SASは小児のみならず成人においても、睡眠中の不整脈などさまざまの不随症状を もたらします。SASが進行し重症化すると、呼吸器や循環器(肺や心臓)の障害から 全身倦怠感や疲れ易さ、息切れなどの自覚症状が出てきます。 さらに高血圧の他、呼吸で吸い込む酸素が慢性的に不足するために、血液は少しでも たくさんの酸素を人体内に供給しようと、酸素を運ぶ赤血球の数を増やします。

 不整脈から心不全と言って心臓が止まったり、赤血球が多くなって血が濃くなると 血管が詰まり易く、心筋梗塞や脳卒中を起こすこともあり、成人の突然死の原因でも あります。  また睡眠不足による昼間の耐え難い眠気は、しばしば重大な事故の原因となります(図1)。  現実にスペースシャトルの爆発事故や大型タンカーの座礁事故など、SASがその 原因と推測される大きな事故なども存在し、その意味では社会的問題でさえあります。

 太った人にはSASが多く見られます。それは肥満で咽頭粘膜にも脂肪が付いているためや、腹部の脂肪のために胸廓が 押し上げられ呼吸の浅くなることが原因なのですが、こういう人はおうおうにして 大雑把でのんき、お人好しで物事を緻密に考えるのが苦手と見られがちです。

 けれどもこれも、実はSASのために昼間は絶え間の無い眠気に悩まされている、 そのせいだと考えられるのです。 こうした眠気のために、昼間からブラブラしていて、仕事がほとんどできなかったり、 家庭生活でも問題が生じ、学生では成績が低下したりします。このためSASの患者さんは、怠け者とか精神障害者扱いされたり、実際にうつ病に なったりもします。

 SASでは昼間は呼吸が正常ですが、眠りに入ると間もなく、呼吸停止を繰り返し ます(図2)。呼吸停止は10秒から20秒も続き、中には1分以上も止まったままの人もいます。これは眠るとのどの筋肉の緊張が低下し、舌根部が下に下がり空気の通り道(気道) が狭くなり、窒息状態となるためです。それに続いてあえぐような呼吸が再開され、いびきが発生します。 こんな呼吸を一晩中繰り返しますので、どうしても眠りは浅くなり睡眠不足となります。 つまり昼間はとっても眠い、という訳です。 不思議なことにこんな睡眠中の呼吸障害があっても、ご本人は全く自覚がありません。ですからその診断には、録音や家族の観察記録が必要です。当院に相談に来られる方にはそんな理由から、いびきの録音をお願いしております。

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